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2012年5月19日放送

15日、ギリシャのパプリアス大統領は有識者らで構成する「実務者内閣」の発足を目指す調停に失敗。再選挙を実施することが決まった。緊縮財政を維持してユーロ圏に残留するか、離脱も辞さない覚悟でもって緊縮策を放棄するかという、まさに瀬戸際にきている。また、このような政治不安を受けてギリシャ国債の利回りは再び急上昇。一時10%台にまで低下していたが、再び30%に接近している。

そして欧州問題はギリシャだけに留まらない。格付け会社「ムーディーズ・インベスターズ・サービス」は14日にイタリアの銀行26行の格付けを引き下げた。利益の減少やイタリアの経済見通しを理由としている。また、17日にはスペインの銀行16行の格付けも引き下げた。融資の焦げ付きの急増とリセッション、困難な資金調達、政府の銀行を支える能力が政府自身の信用力低下により弱まったことなどが理由だ。

共通していることは、財政赤字が拡大したことで緊縮財政を迫られることになったものの、そのことが結果として景気を落ち込ませてしまっているという点だろう。この動きはイタリア、スペインの2国に留まらず、今週に発表されたユーロ圏のGDP速報値は、前期比・前年同期比共に0%となっている。

欧州の問題はまだまだ出口が見えず、マーケットの不安材料となっている。

ギリシャの再選挙などを受け、市場ではリスク回避の動きが進んでいる。つまり、ドル円・ユーロ円相場においては円が買われる動きとなっていて、その傾向がもう少し続くかもしれない。

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