世界的に株価の堅調な動きが続いている。NYダウ平均は、大台の1万3000ドルを突破。2007年12月以来の水準をつけている。日経平均も堅調で、1万円台に到達。その後も底堅い動きが続き、週末金曜日には1万100円台をつけた。
世界的な株価堅調の背景の大きな理由の一つは、ギリシャ問題をめぐって目先はデフォルト懸念が後退したことが挙げられる。
さらに日本について言えば、日銀の政策も効果が出ている。今週行われた金融政策決定会合では、追加緩和策として、金融機関による成長基盤強化に向けた幅広い取り組みを支援するための貸付枠を2兆円拡大して5.5兆円とすることを発表。そして、特筆すべきは『小口特則』と『米ドル特則』という新しい2つの枠の設定だ。特に『小口特則』については100万円以上1000万円未満という低額の融資枠を設定して、中小零細企業を支援する方針を示した。
こうした措置も、日経平均の上昇を促しているといえるだろう。
さらに今週は日銀だけではなく、米FOMCも開催された。政策金利を事実上のゼロ金利で据え置く方針を確認したうえに金融緩和策を維持することを決定。そして景気認識についてはこれまでよりもやや強めの見方を発表している。
ギリシャ問題の一服に加えて、日米中央銀行の方策、そして先週の米雇用統計に見られるような、経済の堅調さ・・・これらを背景に株価はもうしばらく安定した動きを続けるのではないだろうか。
また円相場は、株高の影響を受けて円安に進みやすい展開が予想される。この傾向はしばらく続くとの見通しを当面維持しておきたい。
ドル円・ユーロ円ともに比較的円安が進行してきている。ここから急速に円安が進む動きはイメージしにくいが、株価が非常に堅調な動きを見せていることから円高の展開も想定しにくい。緩やかな円安が進行する可能性が高そうだ。