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2011年11月12日放送

しばらく政治的不安が続いていたギリシャであるが、パパンドレウ首相がその座を明け渡し、前ECB副総裁のパパデモス氏が暫定連立政権の首相につくことが決定。これを受けてマーケットは落ち着きを見せたが、火の手が収まったわけではない。

市場の関心が移った先はイタリア。ベルルスコーニ首相に対する国民の不満が爆発し、首相は財政緊縮法案が承認され次第辞任する意向を表明した。このような政治的な不安・不透明感に対してマーケットは強い懸念を示し、イタリア国債は利回りが急上昇。今週は一時、10年物で7%を超える動きも見られた。ギリシャ、アイルランド、ポルトガルが金融支援要請を迫られた際も10年物国債利回りは7%を突破しており、一部ではイタリアも支援要請を行うとの連想が働いた。

一方、10日には、解散・総選挙の可能性が低下したことや、イタリア政府が実施した1年物国債の入札が大きな混乱がなく通過したことなどを背景に再び利回りが低下する場面もあった。

そもそも、イタリアに対しての懸念が急速強まっている背景にあるのは、イタリアの政府債務の規模が大きいこと。各国の経済規模は異なるため単純比較はできないが、イタリアの政府債務残高は破綻の危機に瀕しているギリシャの4倍強。政府債務残高とGDPの対比を見ても、表の7か国中で100%を超えているのは、ギリシャとイタリアのみ。このような状況の中、イタリアの政治不安が顕在化が財政問題への注目につながった。

だが、ギリシャほどの大規模なデモが起きているわけでもなく、景気が急速に冷え込んでる状況でもないため、このままイタリアが一気に財政破綻に向かっていく可能性は高くない。とはいえ、、一旦醸成されたマイナスのセンチメントはなかなか払拭することができないことから、イタリアもギリシャのように、好転・鎮静・悪化を繰り返す可能性は非常に高い。

10月末に日本政府が円売りドル買いの為替介入を行うも、その後大きな動きは見られず。ドル円・ユーロ円ともに再びドル・ユーロの上値が重くなっている。特にユーロはギリシャ・イタリアの問題が意識され、ユーロ売りが進みやすくなっている。

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