先週はEUが危機克服に向けた「包括戦略」で合意したことをマーケットが好感。ユーロ相場は堅調な動きを見せていた。しかし、今週に再び衝撃が走った。きっかけになったのは、ギリシャのパパンドレウ首相がEUの救済策について「国民投票を行う」と表明したこと。これでギリシャ問題が再燃した。その後、周辺国からの強い批判などもあり、投票は行われない降参が高まっているが、パパンドレウ内閣に対しての信任投票が4日に行われる。ギリシャの国内政治情勢は先行きが非常に不透明になっている。
こうした一連の動きから、ギリシャの国債の利回りは再び上昇。10年債利回りは9月14日につけた25.68%を上回り、26%台に突入。ギリシャをめぐる問題は引き続き困難を極めるだろう。これだけ先行きへの不透明感が強くなり、ギリシャ自身も救済策に抵抗するとなれば、これまであまり検討されてこなかった「ギリシャのユーロ離脱」という選択肢も現実味を帯びてくる。離脱の可能性は決して高いわけではないが、否定できる状況でもない。ギリシャ問題は最終局面に近づいていると考えておきたい。
先週は日本政府による円売りドル買いの市場介入が行われたことで、ドル円・ユーロ円ともにドル・ユーロが大幅に上昇する場面があった。ただ、上昇したところでは輸出企業が手持ちのドル/ユーロを売ろうとする動きが根強いため上値は重い。介入に対する警戒感が残るため、大きく崩れる展開は想定しづらいが引き続き動きにくい状況となりそうだ。