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2011年9月10日放送

6日にスイス中央銀行(SNB)がユーロ・スイスフラン相場に大規模な介入を行った。また、「対ユーロのスイスフランの最低水準を1.2000スイスフランに設定」「無制限に外貨(ユーロ)を購入する用意がある」「景気見通しやデフレリスクにより必要であれば一段の措置を講じる用意がある」と発表。1ユーロ=1.1200スイスフラン近辺から、一気に1.2190スイスフラン程度まで下落し、わずか十数分の間に8.8%もの下落となった。

そもそも今回のSNBの措置は、大幅なユーロ安・スイスフラン高が進んでいることを受けてのもの。ギリシャ問題が未解決であることを背景に、再び市場は欧州への債務懸念を強めている。

6日には、ドイツのショイブレ財務相が「ギリシアが支援パッケージに盛り込まれた財政引き締めの目標を達成するまでは、同国向け融資の次回分は実行されない」と発言。さらに8日には、EU報道官が「トロイカ(欧州連合、国際通貨基金、欧州中央銀行)がアテネに戻る日程は決まっていない」などと述べ、ギリシャに対する第6次融資の目処がたっていないことが露呈した。

このようにギリシャ支援が一筋縄ではいかない状況に加えて、イタリアではムーディーズが同国の格付け引き下げるとの噂が広がったり、政府が打ち出した緊縮財政案への抗議として同国最大の労働組合CGILがゼネストを実施するなど、財政緊縮計画の先行き不透明感が強まっている。

更には8日、ECBのトリシェ総裁は定例会見で「ユーロ圏の下振れリスクが高まっている」「経済成長見通しのリスクは下向きに移行している」と述べ、ユーロ圏経済の先行きに不安があることをあらわにした。併せて、ECBが域内の成長見通しを引き下げたことも明らかにした。

ユーロ圏はネガティブな話題が立て続けに出てきている。日本にとってはドル円相場でのドル安も問題だが、ユーロ円相場でのユーロ安円高にも十分注意しておく必要があるだろう。

ドル円は非常にドルの上値が重くなっており、円安が進みそうな気配はない。ただ、下値では介入警戒感もあり、一方的に下値を試す展開も難しく、もみ合いが続きそうだ。ユーロ円に関してはユーロが売られやすい影響で上値の下値を試す可能性が高そうだ。

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