3日のECB会合では、政策金利を1.00%で据え置くことを決定。その後の会見でトリシェ総裁は「インフレのリスクが、上方にシフトした」「非常に警戒するべきで、それは、来月、金利が上昇する可能性があることを意味する」などと発言したため、来月の利上げ観測が高まりユーロが大幅に買われることとなった。
実際、ユーロ圏の消費者物価指数(CPI)は、ECBの政策目標である2%未満を上回る動きが続いている。(2月のCPIは前年同月比2.4%)また、傾向として上昇が続いていることもわかる。
政策金利は2009年5月以降、1.00%での据え置きが続いているが、インフレ率の上昇が激しく、看過できなくなっている。ユーロは金利先高感から、目先のところはドルや円に対して買われやすくなるだろう。ただ、ギリシャやアイルランドなどのPIGSの財政問題は何も解決していない。金利先高感が剥落すると、ユーロの下値を支えるものはなくなる。金利上昇=通貨高といって、油断し過ぎないほうがいいだろう。
ユーロの金利先高感が強まっているため、ユーロ円は下値がしっかりした動きが続きそう。ただ、ドル円は方向感を失っており、引き続きもみ合いが続きそうだ。