昨年末から、数々のシンクタンクなどが経済見通しを発表している。今回の表はOECD(経済協力開発機構)の経済見通し。2011年は2010年より減速するとの見方が多い。これは、2009年が大幅に落ち込んだ影響で2010年の数値が高くなったこと。そしてや、2010年は財政政策や金融緩和などの恩恵を受けてゲタを履いた数値となっているが、2011年はその効果が剥落すると考えられているためである。
IMFの見通しもOECDに近いものとなっている。グラフは2002年から2012年までの世界経済の成長率(2010年から2012年は見通し)。2012年は4.5%、2011年は4.2%、2010年は4.8%、2009年は-0.6%となっている。2009年のマイナス成長から2010年は大きく跳ね上がったが、2011年で失速。その後、2012年にかけて再び持ち直すと見られている。
IMFチーフエコノミスト、オリヴィエ・ブランシャールは、次の3点を2011年のポイントとしてあげている。
1つ目は先進国の低調さ。失業率などで若干の改善が見られるかもしれないが、基本的には低成長になるとしている。
2つ目は、新興国が抱え込む困難。引き続き堅調な成長が続くとは見られるものの、米国の金融緩和などで資金が流入しやすくなっており、バブル発生の恐れがある。新興国はその対応に苦心すると見ている。
そして3つ目は、ユーロ圏の財政不安やそれに伴う信用不安。2011年に入っても、この問題は依然として意識されるだろう。
ドル円は年末から少し上昇してきているが、このまま一方的に上昇するには材料に乏しい。また、ユーロ円はユーロドルの下落の動きに連動して上値が重くなっているが、そのまま下落を続けるとは考えにくい。共にもみあうことになりそうだ。