日経平均が上昇している。木曜日には、6月22日以来となる1万円台に乗せた。およそ5カ月ぶりの水準。翌金曜日も1万円台を維持している。米国の金融緩和で流動性相場になり、出遅れ感のあった日本株に上昇圧力がかかっている。ただ、世界各国が全面的に強めの推移となっているわけではない。NYダウは上値が重くなる動きも見られ、日本株とは異なる動きをみせている。
現在の日本株上昇のサポート要因と考えられるのが、為替相場の円安傾向。ドル円相場は11月1日に80.21円をつけたが、その後はドルが堅調で、今週は84.00円近辺まで上昇している。輸出企業の業績には有利な展開で、株式市場の個別銘柄の上昇率を見ても、精密機器や機械、自動車など、輸出企業がしっかりした動きとなっている。今回の円相場と株式市場の連動性は、日本株が為替相場の影響を受けることを改めて確認するものだ。株価動向を探る上でも、為替相場をしっかりと見ていく必要がある。
米長期金利の上昇などを受けて、ドル安が全面的に進んでおり、ドル円はもう少し値を伸ばす可能性がある。欧州の財政に対する不安は一旦落ち着いたことでユーロ円は少ししっかりした動きとなっているが、再び欧州懸念が盛り上がる展開もありえるため、安心はできない。