今週発表された米住宅指標では、中古住宅販売件数(9月分)が、前回値の413万件、予想の430万件を共に上回る453万件。新築住宅販売件数(9月分)は、前回値の28.8万件、予想の30万件を共に上回る30.7万件となった。揃って強い結果となっている。
これら住宅指標の結果に加え、米カンザスシティー連銀のホーニッグ総裁が「一段の量的緩和は危険な賭け」「米国は緩やかな景気回復の中にある」と発言。
更に、ニューヨーク連銀のダドリー総裁も「米国がリセッションに向かうリスクはきわめて低い」「米国の景気回復の継続を予想」などと発言したことから、これまで強まっていた悲観論が後退。このところ急速に下落していた米10年債の利回りが上昇した。また、ドル円相場が82円近くまで値を伸ばしなど、全体的にドル買いが進む場面が見られた。
ただ、市場の関心は来週のFOMCに移っており、FOMCを巡る思惑で再び米10年債の利回りが下落、ドルが売られる動きが見られた。FOMCでは、資産買い入れ(国債の買い入れなどを行う量的緩和)の規模が焦点となっていて、WSJはこれを数千億程度としているが、ゴールドマン・サックスは2兆ドルとの見方をしていて、市場の中でもなかなかコンセンサスが形成されていない。
とりあえずは5000億ドルから7500億ドルの資産買い入れが妥当との見方から、このレベルを下回ればドル買い、上回ればドル売りと見られている。ただ、来週は週末には米雇用統計も控えている。来週は相場の風向きが大きく変わる可能性があるイベントが目白押しとなっており、相当注意が必要だろう。
先週は、年初来安値を更新した。途中買い戻される動きも見られたが、米追加金融緩和観測から、ドル円は上値が重い状況が続きそうだ。ただ、FOMCの結果を受けて相場が荒れる可能性もあり、要注意だ。
為替相場全体がドルの動きに注目しており、クロス円は方向感が出にくい。ユーロ円は今週ももみあうことになりそうだ。