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2010年10月9日放送

為替相場ではドル全面安の展開が継続している。先月のFOMCで追加金融緩和策の可能性を示したことがドル売りの一因となったが、その後も米指標は冴えないものが出ており、金融緩和が行われる可能性が引き続き意識されている状況。これを受けて、米長期金利が低下し、日米長期金利の金利差が縮小している。そして、グラフを見ると一目瞭然だが、金利差が縮小する中で、ドル円相場は安値を更新している。金利低下もドル円の重石になっているわけである。

今週の5日、日銀は金融政策決定会合で、

 (1) 金利誘導目標の変更(全員―致)
 (2) 「中長期的な物価安定の理解」に基づく時間軸の明確化
 (3) 資産買入等の基金の創設

を決定している。政策金利を「0−0.1%程度」で推移するよう促すとした他、物価の安定が展望できる情勢になったと判断するまで、実質ゼロ金利政策を継続していくとし、その時間軸を明確化した。更に、国債・CP・社債・ETF・J-REITなど多様な金融資産の買入と固定金利方式・共通担保資金供給オペを行うために、臨時の措置として、バランスシート上に基金を創設することを検討するとしている。基金の規模は買入資産については5兆円程度となる。

この発表直後、ドル円相場は円安方向へ反応したが、その後は、再びドル売り円買いに押されてしまっている。7日には年初来安値となる82.11円まで下落した。今回の日銀の決定は市場の予想を超えるものであり、ある程度の評価はできるが、米追加金融緩和が強く意識されている現状では、まだ足りない。規模の増額、期間の延長など、徹底して金融緩和を行う姿勢を、今一度マーケットに示す必要があるだろう。

FRBによる追加金融緩和への期待感は根強く、ドル安相場が反転する気配は今のところ見られない。ドル円相場も、ドルが急落する可能性は低いが、引き続きドル安圧力がかかりそう。

ドル安相場となっているためにクロス円は方向感が出にくい。ユーロ円も基本はもみあい。ただ、ユーロドルの下値がしっかりしているため、ユーロ円も底堅い展開となりそうだ。

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