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2010年7月3日放送

6月21日に10600ドル台まで上昇したNYダウはその後軟調な動きを続け、7月1日には年初来安値を更新。1日の終値は9732.53ドルとなっている。また、米国の株価だけではなく、日経平均や上海株価、英国のFT100なども年初来安値を更新。世界的な株安が進んでいる。

米経済の減速の予兆を住宅市場が最初に表していた。先月発表された5月分にあたる住宅市場は・・・

  1. ●住宅着工件数が予想64.8万に対して結果は59.3万件。
  2. ●建設許可件数が予想62.5万件に対し結果57.4万件。
  3. ●中古住宅販売件数が予想612万件に対し結果566万件。
  4. ●新築住宅販売件数が5月予想41万件に対し結果30万件。

となり、市場予想を下回るものが相次いだ。住宅減税が4月末で打ち切られた、という事情もあるが、それを加味しても非常に悪い内容となっている。加えて、1日発表された6月ISM製造業景況指数は予想の59.0を下回る56.2。好況・不況の分かれ目とされる50を上回ったものの、これまで堅調な動きを示していたISM指数がピークアウトした可能性が出てきており、先行きが心配される。来週火曜に発表される6月ISM非製造業景況指数への注目度も高まっている。

また、中国の先行きも明るくない。株式市場は年初から25%以上下落し、1日に発表された中国の製造部門PMIは予想の53.2を下回る52.1となった。人民元引き上げ圧力が国内輸出企業にマイナスに働き、これがどの程度影響するかわからないという不透明感も、市場の雰囲気を悪いものにしているようだ。

現在の世界経済は各国が綿密に関わり合っているため、特に米国や中国のような大国の景気が失速すると、世界経済にも特に大きな影響を及ぼす。市場に再び不安感が蔓延してきているため、十分注意しておきたい。

米指標の悪化が続き、NYダウが大きく下落。ドル売りという反応も見られ、ドル円は大きく値を下げている。引き続き軟調な動きとなりそうだ。
市場の関心が米経済やドル相場、各国株価に向かいつつあり、ユーロ円は少し方向が定まりにくい。ただ、ユーロ圏の財政問題が解決したわけではないため、上値は非常に重くなると考えられる。

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