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2010年3月6日放送

今週は各国で金融政策を決定する会合が行われた。2日のRBA(オーストラリア準備銀行)は金利を0.25%引き上げて、4.00%にした。市場では利上げの可能性が高いと言われていたため、実際に利上げが行われても特段のサプライズはなかったが、オーストラリアは失業率が大幅に低下するなど、景気動向に力強さがあり、今後も利上げの可能性が残る。

これに対して、同日のBOC(カナダ中央銀行)は0.25%、4日のBOE(英国中央銀行)は0.50%、ECB(欧州中央銀行)は1.00%と、それぞれ金利を据え置いている。

たた、BOC、BOE、ECBは揃って金利を据え置いたものの、それぞれの経済状況には大きな違いがある。

BOCは金利発表後の声明文で、「カナダのインフレや生産活動が予想より若干高い」としており、経済が比較的堅調であることを示した。また「0.25%の政策金利は第2四半期終わりまで維持するとしている。」としているが、このコメントは、その後の利上げの可能性を一方で示唆している。

BOEは金利据え置きと同時に、資産買取プログラムの規模を2000億ポンドで据え置いた。しかし、2月下旬頃から「状況によっては買取規模を拡大する可能性がある」と英要人が相次いで発言していて、出口戦略とは逆の動きが見られる。利上げにはほど遠い状況だ。

またECBのトリシェ総裁は金利発表後「ECBの政策金利は適切」と話し、現状の金利水準を支持した。また「インフレを避けるため、必要に応じて流動性供給措置を巻き戻す」とも話してはいるが、今週ギリシャが緊縮政策を決定したこともあり、ECBが金融引き締めを行うことは現状では難しいだろう。

豪・加の景気はしっかり。一方、英・欧は厳しい経済環境にある、ということは通貨を見てもはっきりとわかる。オージー/円、カナダドル/円は、一時的に売り込まれることはあっても、比較的堅調な動きなのに対し、ポンド/円、ユーロ/円は軟調な推移となっていて、12月1日の終値と比べて、7%近くの下落となっている。

ユーロ/円や、ポンド/円はかなり下げてはいるものの、経済環境は非常に厳しいため、ここから大きく戻していくような展開は考えにくい。もうしばらく、こうした傾向が継続しそうだ。

ユーロ/円はギリシャ問題に大きな前進がなく、欧州の景気が冴えないこともあって、引き続き上値が重い展開が予想される。安値圏での推移となりそうだ。

また米国は住宅市場が厳しい状況のため、ドル/円も上昇していくのは難しいだろう。

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