ユーロ、特にギリシャは、今週もネガティブな材料に事欠かない。まず24日にはギリシャ全土で、主要労組による大規模なゼネラル・ストライキが行われた。ギリシャは歳出削減や増税を財政再建の柱の一つにしているが、これに対して国民が抵抗を示している。
このような状況を反映して、24日にはS&Pが「ギリシャの長期ソブリン債の信用格付け「BBB+」を1ヶ月以内に1−2段階引き下げる可能性がある」と発表。また25日はムーディーズが、「数ヶ月以内に2−3段階格付けを引き下げる可能性がある」との見方を示した。ゼネストを初め、財政再建に道筋が立たないことを嫌気した結果といえる。
また先週は、ユーロも米国も景気の現状は厳しい状況にあることが示された。まず米国側では、消費者信頼感指数や新規失業保険申請件数、そして住宅指標が軒並み市場を予想を下回った。
これを受けて、米国株が下げる場面があり為替相場では円高が進行。ユーロ円は先程のユーロの売り材料と相まって、25日には昨年2月24日以来となる119.66円まで下落した。ユーロ円の下落は国内輸出企業にとってもネガティブな材料であり、負の連鎖がなかなか断ち切れない。
先週は欧米からのネガティブな材料が続き、株価は上値を抑えられ、クロス円も冴えない動きになった。急落の兆しは見えないが、しっかりした回復も見られない。株価は上値が重く、ドル円とユーロ円も冴えない動きとなりそうだ。