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2010年1月30日放送

今週発表された米指標は悪い結果が相次いだ。月曜日発表の12月中古住宅販売件数は市場予想の590万件を大きく下回る545万件。前月比は−16.7%となった(予想は−9.8%)。また水曜日発表の12月新築住宅販売件数は市場予想の36.6万件に対して34.2万件。前月比は−7.6となった(予想は+3.0%)。住宅減税は本年4月まで延長されると決まったが、当初は今年11月までと言われていたため、それにあわせた駆け込み需要が11月は多く、12月分は幾分減少するであろうとの見方がされていた。ただ、そのことを勘案しても、今回の結果は市場予想を大幅に下回っており、住宅市場の状態が非常に厳しいことを印象付けている。また火曜日に発表された、住宅価格の指標のひとつであるS&Pケース・シラー住宅価格指数は前月比で二ヶ月連続マイナスとなっている。

米国に関するネガティブ要因は住宅市場だけではない。オバマ大統領は先週、新金融規制案を発表。現在の景気後退は、金融機関が多大なリスクを取ったことも要因の一つとして挙げられるため、金融機関にある程度規制をかける必要はあるだろう。ただ今回発表された内容は非常に極端なものであり、これを実施すれば、米国経済は再び減速する可能性が高い。このような懸念から、金融市場は調整色が一層濃くなり、米ダウは28日、10120.46ドル(終値)まで下落。日中の安値は28日に10055.08ドルまで下げた。回復の兆しが見られた米国経済ではあるが、再び難しい局面に入り込んでいる。

住宅指標が非常に悪いものになったが、そのほか耐久財受注なども予想を下回る結果になった。米国株は上値が重く、クロス円も値を下げる展開が続いている。ドル円、ユーロ円は、引き続き円高が進行する可能性に注意しておきたい。

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