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2010年1月23日放送

住宅市場関係者の先行き見通しはネガティブな状態が続いている。住宅建設業者協会(NAHB)に加盟する業者を対象に6ヵ月後の住宅の売れ行きについてアンケートを行って算出するNAHB住宅市場指数。その1月分が今週発表されたが、結果は、前回の16、市場予想の17を共に下回る15という弱いものに。この数字は50以上で好況、50以下で不況と考えられ、昨年1月が底になってはいるが、依然として20を下回る低水準にとどまっている。

また、今週発表された12月住宅着工件数は55.7万件となり、前月比4.0%の減少。市場予想の57.5万件に届かなかった。また着工件数に先行すると言われている住宅建設許可件数は、前月比10.9%増となってはいるものの、依然低水準。米国の住宅環境は一度底をつけたように見えるが、低空飛行が続いている。

弱い指標は住宅指標だけではない。14日の米小売売上高や15日の米CPIも市場予想を下回った。また、今週は米金融機関の決算が発表されたが、これまで米金融機関の業績回復を牽引してきたトレーディング収益が伸び悩みを見せている。一方、高い失業率を背景に、個人向けの不良債権残高は増えている。こうしたネガティブな材料を反映して、比較的堅調に推移していた米国株も、ここにきて上値が重たい。22日の東京時間未明に、オバマ大統領が金融機関の業務範囲を大幅に制限する新たな金融規制改革案を発表したことも、株安を誘った。米国経済の先行きには、なかんかポジティブに成りきれない。

オバマ大統領の金融規制の発言を受けて、為替相場では円高が大きく進んだ。発言通りの内容を実施することは難しそうではあるが、米大統領の発言ということで、非常に注目されている。ドル円、ユーロ円共に、もう少し円高が進む可能性に注意したい。

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