今週1日、日銀は円高・株安への対抗策を講じるため、臨時の金融政策決定会合を開催。そこで、金利0.1%、期間3ヶ月で10兆円の資金供給を行うことを決定した。白川総裁は広義の量的緩和としている。ただ、資金が流通しても、それが銀行から企業に回るかは不透明なため、この対策の実質的な効果はそれほど期待できないかもしれない。しかし、資金を供給してでも円高をとめるという姿勢を見せた効果は大きい。十分評価できるだろう。
また、政府は、追加の経済対策を二次補正で組む方針。規模については政府と国民新党との間で調整が続いているが、前政権から数えて今年で4回目の経済対策となる。
また、ドバイショックも大分落ち着いてきている。危機の詳細が次第に明らかになってきたことから、過度な不安が解消されつつある。
今回の事態を受けて、まず中央銀行が全面的な資金支援を表明した。また、ドバイワールドは債務再編策の詳細を発表し、約260億ドルに及ぶ関連債務に関して銀行団と協力して交渉を行うことを明らかにした。来週前半にも最初の会合が開かれる。
またドバイ・ワールドに対して、英国の大手金融機関が合計で約50億ドルの債権を抱えていることも分かった。ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)の債権が10億−20億ドルと最も多く、HSBCホールディングスとスタンダード・チャータード銀行、ロイズ・バンキング・グループがそれぞれ約10億ドルの債権を抱えているとのこと。債権銀行は他にもあり、80行を超えることなどもわかってきた。
もっともドバイに関する報道は、内容が明らかになってきただけであり、何か根本的な解決がなされたわけではない。ただ、内容がわかってきたことで市場は少しずつ落ち着きを取り戻しつつある。米ダウが再度高値を更新したことなどもその証左といえる。
ドバイのニュースが落ち着いてきことでドル円やユーロ円は少し買われている。しかし、第二、第三のドバイがあるのではないかとの不信感が市場に残っているため、一方的な動きは起こりにくい。また、ドル安相場であることに変わりはなく、ドル円はそれほど大きく上値を伸ばせないであろう。ユーロ円もはっきりとした方向性は期待しにくい。