榊原・嶌のグローバルナビ


マーケット・ナビ

バックナンバー

2009年11月7日放送

RBA(豪中銀)は、3日の政策金利決定会合で政策金利を0.25%引き上げた。また追加の利上げについても言及している。加えて、6日の金融政策報告では、2009年と2010年の成長率をそれぞれ引き上げている。サブプライムローンショックの影響が軽微だったオーストラリアは、いま、経済の堅調さが目立っている。

一方、FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)は、政策金利を現行の水準で据え置き。機関債の購入額が縮小されたことを好感する向きもあったが、来年3月末までは量的緩和を維持するということで、利上げもこの時期まではないと見られる。声明文全体のトーンも弱めであり、景気は持ち直してきているものの、まだ回復基調に入っては至っていないという認識だといえる。

BOE(英中銀)、ECB(欧州中銀)共に金利は据え置き。BOEは資産買取プログラムの規模を1750億ポンドから2000億ポンドに拡大した。市場予想は2250億ポンドだったため、予想より規模が少ないということでややポンドが買われる動きも見られたが、各国が徐々に金融緩和策を収束に向かわせている中、BOEは一段の金融緩和に踏み込んでおり、英国経済がまだ弱いことを印象付けている。

ECBのトリシェ総裁は6日、「ECBによるすべての流動性供給措置が、過去と同じく必要であるというわけではない」と発言。また1年物資金供給オペを来年は中止すると市場が見ていることに対しては、「(その見方を)払拭することは何もいわない」とし、今年一杯でオペを中止することを示唆。出口戦略への第一歩を踏み出そうとしている。

各国の金融政策に徐々に違いが見られるようになってきた。

ユーロドルへのドル安圧力が続いている。そのため、対円でもユーロはしっかりした動きが続くと考えられる。ドル円はFOMCという大きなイベントをこなし、引き続き材料難。方向感がない動きになっているが、この動きが今後も継続しそう。

上に戻る▲