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2009年9月19日放送

ドル安が続く中、ドル/円相場も90円割れが目前に迫っている。9月16日には2月12日以来となる、90.12円をつけた。急速に円高が進んでいるために、日銀が介入をするのではないかとの声も一部からあがっている。

もっとも2004年を最後に、それ以降、為替介入は行なわれていない。2004年はイラク情勢の悪化などを材料に、1ドル=100円を超す円高になると言われ(2004年8月頃)、投機的な円買いが進んだために介入が行なわれた。しかし、現在は、ドル全面安ゆえにドル/円で円高となっているに過ぎず、水準的にはかなり下げているものの、投機的な円買いは進んでいない。また、16日に財務相に就任した藤井氏も、為替介入には否定的な見方を示しており、白川日銀総裁も17日に「円高は中長期的には経済を押し上げていく力もある」と発言。円高への強い懸念が表明されない中で、介入が行なわれる可能性は低く、たとえドル/円が90円を割り込んだとしても、すぐに介入が行なわれるような展開は考えにくいだろう。

ドルはユーロやカナダドル、スイスフランなどに対しても安値を更新中。当然、ドル/円にも下落リスクが付きまとい、90円割れも十分ありえる状況。一方、為替相場の関心がドル相場に向いているため、ユーロ/円は方向感が定まらずもみあいの展開が想定される。

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