7月3日は米国市場が独立記念日の振り替え休日のため、木曜日に非農業部門雇用者数(雇用統計)の6月分が発表された。結果は市場予想の−36.5万人に対して、−46.7万人となり予想を大幅に下回った。しかも、2009年3月分の−69.9万人を底に、4月分が−50.4万人、5月分が−32.2万人、2ヶ月連続で改善が見られていただけに、今回の悪化は市場に少なからず衝撃を与えた。米ダウは200ドル以上の下落を見せている。
その内訳を見てみると、サービス部門、特に専門職の減少が著しい。前月は4.8万人の減少だったが、今回は11.8万人の減少となった。これが非農業部門雇用者数の押し下げに寄与した面もある。また、今後、注目したいのは製造業だ。前月までは15.6万人の減少であったが、今月は減少幅が縮小していて、GMが破綻した影響はまだ見られない。しかし、GMやクライスラーが経営再建を進める中でリストラを進めていけば、この数字が大幅に悪化する可能性が残されている。3月分で一度底をつけたと思われる非農業部門雇用者数であるが、懸念材料はまだ尽きない。
とはいえ、今回の雇用統計で相場はある程度動いたものの、基本的には株式相場、為替相場共にレンジの中に入り込んでおり、ここを抜け出すほどの目新しい材料に乏しい状況だ。大きな材料が出てこないことには、このレンジを抜け出せそうにない。