ロンドンで開催されたG20サミットは、各国が連携した前例のない財政出動を実施していることを評価。2010年末までに総額5兆ドルに達する各国の財政出動は「世界の成長率を4%押し上げる」との見解を示した。また、今後も引き続き、成長回復に向けて必要な規模の財政努力を行うことを確認した。
・また2010年末までの世界経済の成長率目標をIMFの見通しに基づき2%超に設定した。
・IMFの貸付可能資金をこれまでの3倍に相当する7500億ドルに拡大するほか、国際開発金融機関による融資を最低で1000億ドル増加させる。さらに、2500億ドルのSDRを新規配分するほか、信用収縮を背景に途上国などの貿易金融がひっ迫するなか、今後2年間で2500億ドルの貿易金融支援も表明。
この他では保護主義への反対姿勢も再確認。今後一年間、新たな投資・貿易の障壁はつくらないとする昨年11月の第1回金融サミットの“公約”を延長した。低迷する貿易を支援するため、G20として2500億ドル規模の金融支援策も打ち出した。
FSBの発足は、危機の再発防止の一環として、金融監督機能を強化するのが狙い。危機の芽を早い段階で察知するための「早期警戒体制」を、国際通貨基金(IMF)と共同で今春中に構築する。日本のメガバンクなどを含む世界的な巨大金融機関とも連携、市場を監督する組織を編成する。
金融規制・監督の見直しについては、独仏が求めているタックスヘイブン(租税回避地)に対する規制強化でも一致。欧州側に配慮する形での合意となった。
次回のG20は年内にニューヨークで行なうと、サルコジ大統領が発言している。
米国株式市場は堅調な動きを続けている。NYダウ平均株価は2日、2月13日以来の8000ドルに到達した。G20が株式市場に比較的好意的に受け止められたことが株価上昇を支えた。また、米財務会計基準審議会(FASB)が時価会計の一部緩和を決定したことで、金融機関の業績が底上げされるだろうとの見通しがもたれたことも、株価上昇の一因となっている。
ドル円は11月4日ぶりに100円台を付ける場面があった。もう少し上昇する展開があるかもしれない。また、ユーロ円も比較的堅調な動きとなっているため、上値を広げていくかもしれない。株価がしっかりしているため、為替も大きく崩れることは考えにくい。