今週金曜日には、まとまりかけていた米自動車業界の救済法案が合意に至らず、ドル円は大きく下落する展開となった。ドル円は今年10月24日の年初来安値90円87銭を更新。1995年8月以来の90円割れをも記録した。
米国は先進国の中でも先行して金利を引下げてきた。その後、他国が追随したことから先に金利を下げていたドルに対して金利差が縮小するかたちになり、その結果、ドル高が進んでいた。しかし、ここに来て、これまでのドル高の反動や、再び米国経済の減速へと関心が移り、ドル安が進みやすい環境になってきている。
米国ビッグ3の救済が暗礁に乗り上げたことで、市場の値動きが少し荒くなっている。これをもって、再び強烈な円高が進行することはないであろうが、市場は少し不安定になるだろう。