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2008年6月28日放送

米国株式の下落が止まらない。ニューヨークダウ平均株価は、今週年初来の安値を更新した。金融機関の経営状況の悪化が心配され、金融株中心に下落が進んでいるが、その他のセクターの株価の下落もここに来て顕著になり始めている。資源価格の高騰によるコスト増が、多くの業種の企業業績にマイナスの影響を与え始めている。

米国景気の減速懸念も更に高まっている。今週発表された米消費者信頼感指数5月分は50.4と1992年以来の低水準にまで落ち込んでいる。消費マインドの低下は、今後、消費の減速が加速する可能性を示唆している。消費の落ち込みが鮮明になってくれば、消費関連企業の業績悪化を招き、米国株価の一層の下落をもたらすことになる。

また、金融機関の決算状況も心配だ。信用市場は依然として不安定な状況が続いている。失業率の悪化などが原因で一般消費者ローンなどの延滞率が更に上昇する可能性も高い。ここ数年で作り上げてきたビジネスモデルが崩壊してしまった現在、新しい収益源がなかなか見つからない状況にある。7月は大手商業銀行などの4−6月の決算が発表されるが、ここで実態が明らかになれば、株価が更に下落するかもしれない。また、4月のG7で合意した100日ルールの具体化により、隠れていた負の遺産が明らかになってくる可能性もあるので、十分注意が必要だろう。

米国株式市場の不安定な動きを受けて、再びドル安圧力が高まってきている。ただ、国内株式市場が低迷しているため日本の利上げも当面なさそうである、という見方から円安圧力もかかっている。これに対して、ECBは7月に利上げをする姿勢を鮮明にしており、ユーロは堅調である。こうした傾向は来週も続く公算は高い。米国株価が続落すれば、ドル安に拍車がかかる可能性はあるだろう。予想レンジはドル円105−108円、ユーロ円165−170円。

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