資源価格の高止まりが続いている。原油価格は8月の後半から上昇基調に入り、WTI原油価格はとうとう80ドルを突破した。昨年は春先に上昇し、夏場から秋口にかけて下落傾向に入ったが、今年は、一度緩んだ後再び上昇するという昨年とは異なる値動きを見せている。
中国、インドなどでのエネルギー需要が増加するという見方が広がっていることなどが上昇の原因となっている。
エネルギーなど資源価格の高騰により、資源国への資金流入が活発化している。豪ドルやカナダドルでは、8月のサブプライムローンショックの後再び上昇傾向をとなり、直近では、ほぼサブプライムショック前の水準近くまで回復している。
これらの通貨は対米ドルでも上昇し、特にカナダドルの対米ドル相場はとうとう29年ぶりに1.00を割り込む水準まで米ドル安/カナダドル高が進行してきている。
対米ドルでの資源国通貨の上昇とともに、対米ドルでのユーロの上昇傾向も鮮明となっている。ユーロドルは今週1.42台後半まで上昇し、史上最高値を更新している。
こうした動きに対し、欧州政治サイドからユーロ高を懸念する声が上がってきている。
ラガルド仏財務相はユーロの上昇を反転させるための共通の計画作りを欧州各国に呼びかけると発言した。19,20日に開催される先進国財務相・中央銀行会議(G7)でもユーロ高について議論される可能性がでてきた。
来週は、米国企業の7-9月期決算の発表が本格化する。今回のサブプライムローンショックで住宅関連産業、金融機関などがどの程度痛手を被っているのかに注目が集まる。ここで大きな波乱がなければ、市場は落ち着いた動きを見せ、今週末の水準近辺での揉み合い相場になってきそうだ。欧州からのユーロ高に関する牽制発言にも注意をしておきたい。