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第472回 2010年2月20日 放送

温室効果ガス=CO2の削減が叫ばれ、暮らしの中に太陽光発電や燃料電池が導入されようとしている今は、まさにエネルギー革命の始まり。そんな時代の潮流を感じ取った石油業界で、大きな動きがありました。石油元売り最大手の「新日本石油」と第6位「新日鉱ホールディングス」の経営統合です。4月には売上高9兆円規模という巨大エネルギー企業「JXグループ」が誕生するのです。

経営統合の最大の目的は、業界共通の課題、過剰な設備の整理統合にあります。需要を上回る原油処理能力を削減し、需給のバランスがとれる水準にまでスリム化しようとしています。因みにJXグループが目指すのは原油処理能力の4割削減。トップメーカーのこうした取り組みが、業界全体へと波及することが期待されています。

岡山県倉敷市にある水島製油所では、運河を挟んだ向かいにあるジャパンエナジー(新日鉱グループ)の製油所と経営統合へ向けた準備が進んでいました。既に、製油所の心臓部と言われる常圧蒸留装置を一つ廃止することが決定。その一方で、CO2の排出量が石油より少ないことから今後需要増が見込まれるLNG(液化天然ガス)タンクの建設が進んでいました。石油だけに頼らない体制がつくられようとしているのです。

そして、石油だけに頼らない、という方向性はガソリンスタンドも同様です。新日本石油では、水素や電気を扱う、近未来型のガソリンスタンドの実証実験を行っていて、環境の時代の新たなビジネスモデルを構築しようとしています。

また、新日本石油が、その将来性に大きな期待をかけている事業があります。それは燃料電池。既に家庭用燃料電池ではトップ企業の地位を確立していて、現在は、より小型化を進めた新機種の開発が進んでいます。

エネルギー新時代へと大きな一歩を踏み出そうとしている新日本石油。その舵取りをする西尾進路社長は、「様々なエネルギーの『ベストミックス』が重要だ」と述べ、「総合エネルギーカンパニー」を目指す決意を語っています。

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