競争戦略論の第一人者であるハーバード大学のマイケル・ポーター教授、その名を冠したポーター賞の授賞式が先日、都内で開催されました。ポーター賞とは、独自の戦略を持ちながら高い収益性を確保している企業に贈られる賞のことです。
今年は、企業部門で衣料品小売業の「ポイント」とソフトウェアサービスを提供する「プロパティ・データバンク」の2社が受賞。そして、事業部門では生花小売業の青山フラワーマーケット(パークコーポレーション)とファーストリテイリングが展開する「ユニクロ」が受賞を果たしました。2009年の受賞企業4社の共通点は、いずれもサービス業であることです。これまでのポーター賞では、オンリーワンの技術を持った製造業が目立っていましたが、今年はその"慣例"が破られました。これは日本企業の競争力に新たな一面が生まれようとしていることの証と言えます。「ニッポンの強さはものづくりだけではない!サービスに於いても強さを発揮できる」という日本経済の可能性をポーター賞は示してくれたのです。低迷が続く日本経済を再浮上へと導く新たなサービス・産業への期待が膨らみます。