ポップな看板が一際目を惹く大型雑貨店「ロフト」。その人気のわけは、流行を先取りするセンスと文具や食器、健康雑貨や家具など30万点にも達する品揃えです。
そんなロフトの楽しさを創りだしているのは、そこで働くスタッフたちですが、彼らは2008年3月に大きな制度改革に直面しました。非正規労働者の正社員化です。2700人いたパートやアルバイトをロフト社員と呼ばれる正社員にしたのです。この改革を断行してから1年が経過し、制度導入前と導入後の社員の意識調査を行ったところ、とても興味深い結果が出ています。「働くことへの満足度」は48%から58%にUP。「ステップアップ志向」は25%から35%に上昇したのです。正社員化によってモチベーションを高め、それを売り場の活性化に繋げる、そう考えていた遠藤社長の思惑通りの効果が出ています。
その遠藤社長は「人材はストック、商品はフロー」と話します。商品は回転率を早め、常に新鮮な売り場作りを目指す一方、売り場をつくる人材は大切にしていこうという考え方です。ロフトの戦略は、非正規労働者を増やしてきた日本の産業界に一石を投じています。