有機野菜や無添加食品など安心安全な食材をインターネットで販売するオイシックス。小さい子どもがいる母親や働いている女性に人気で、これまでに累計35万人のユーザーがここで商品を購入しています。
そのホームページには2400品目を超える商品がズラリ。中でも人気なのが"ふぞろいの野菜たち"と"もったいない"コーナーです。小さかったり、傷が付いていたり…そんないわゆる規格外の野菜を集めた"ふぞろいの野菜"は通常のものより3割ほど安く、この不況の中で売上げを伸ばしています。「傷が付いたトマトは傷を修復するためにトマトが頑張るので普通のトマトより美味しい」と高島社長は話します。そして、もったいないコーナーの看板商品「マッシュルン」は、マッシュルームの石づき部分を集めたもの。従来、石づきは流通の過程で切り捨てられていましたが、生産者の間では旨みがあるのでよく食べられていました。オイシックスはそこに目をつけ商品化。生産者だけが知る美味しさや食べ方、ストーリーをネットで紹介し、ヒット商品に育てました。
「これまでいい野菜というのは形と色がきれいなものでしたが、私たちが思っているのは安全で美味しいもの」、そう話す高島社長は、農業を元気にする取り組みにも積極的です。消費者から「おいしい」という声を集めた野菜と生産農家を表彰する「農家オブザイヤー」を毎年開催。作り手のモチベーションを刺激するのが狙いです。「生産者は美味しいものを作ってもリターンが少なく報われない」。そんな農業の厳しい現実を知るからこそ、高島社長は、オイシックスの活動を通じて、農業者の高齢化・低い所得水準・新規就農者の減少という負の連鎖を打破しようとしています。