万博を2年後に控え、世界でも引けを取らない金融街へと変貌を遂げた中国・上海。ここにメガバンク、三井住友銀行の上海支店があります。三井住友銀行は、中国をはじめとするアジアや中近東、中東欧など世界の成長市場への進出を積極的に展開。「選択と集中、我々商業銀行が得意な『プロダクツ』と『地域』を絞り込んでやっていく」(北山社長)という基本方針の下、世界32カ国41拠点にまでネットワークを拡大。更に、イギリス大手のバークレイズやベトナムイグジムバンクなど世界の銀行と戦略的な提携を次々と結んでいて、現在10%の海外業務利益を2年以内に15〜20%まで引き上げたいとしています。
また、海外だけでなく、成熟した国内市場においても攻めの手を弛めていません。規制緩和によって銀行で扱える商品が増えたことから、個人向け金融コンサルティングを強化。一人の行員が全ての商品を顧客に提案するトータルコンサルティングを実践しています。北山社長も「お客様を良く知って、お客様に合った商品を提供することがますます重要になってくる。付加価値で他の金融機関と差別化を計っていきたい」と語っています。そして、そのために必要な人材の育成にも力を入れていて、リテールに特化した研修施設「リテールバンキングカレッジ」まで設置しました。また、CO2排出枠の売買を仲介したり、住宅ローンを通じたカーボンオフセットなどエコと金融を結びつける商品を開発するなど環境ビジネスへの対応も忘れていません。
金融不安が続く中、三井住友フィナンシャルグループは世界の成長市場と成熟した国内市場、共に攻める経営戦略を掲げています。
物腰柔らかで、清潔感のある北山社長。人の目を見て、理路整然とお話しされる姿が印象的でした。
しかし、日進月歩、銀行業務はかなりのスピードで変わってきていることにびっくりしました。特に、海外へは積極的に攻め込んでいて、中国ではここ5年間でスタッフを4倍に増やし、さらにオイルマネーを取り込もうと中東にも支店をオープン。北山社長いわく「選択と集中を進めている」のです。
国内を見ても、今や銀行は、保険だって投信だって売る。三井住友では「環境」を絡めた金融商品も発売。これでは、行員の方も、商品知識を身に付けるだけでもたいへんそうです。
本当に銀行はすっかり様変わりしていました!