とろけるチーズに溢れる肉汁。ロッテリアの「絶品チーズバーガー」が人気を集めています。昨年11月から限定販売を開始。価格は360円とこれまでの商品より割高ですが、わずか半年で500万個を販売しました。
"絶品"を世に送り出したのはミシュランガイドの2つ星レストランでシェフを務めた嶋原博さん。2006年にロッテリアに入社し、現在は商品総合プロデューサーとして活躍しています。嶋原シェフのこだわり、それは素材の旨みを活かすことでした。パテには厳選された牛の肩とモモ肉を使用。さらに豚の背脂をミックスし味に深みを付けました。チーズにはこれまでファストフードには使われなかったナチュラルチーズを2種類使用。パンにも酒種という酵母を使うなど素材にとことんこだわっています。味付けはシンプルに塩・コショウのみ。調理時間もこれまでの2倍のおよそ5分。これまで常識だった安くて大きくて早いというファストフードの常識を覆すハンバーガーだったのです。
嶋原さんが"絶品"を開発した当初、社内の反応は「美味しいが小さいし、高いから売れないだろう」という冷たいものでした。しかし、都内限定で発売すると、あまりの売れ行きに材料が足りなくなり、販売休止になるほどの爆発的ヒット。嶋原シェフは「これだけのものをこの値段で作るのは大変だった。ファストフードであっても美味しいと言わせるものを作るのが仕事」と振り返ります。
そんなロッテリアはここ数年、経営不振が続いていて、2006年、企業再生会社の支援を受け入れました。新社長として派遣された篠氏のもと新生ロッテリアは店舗や商品をリニューアル。本社と店舗の連携を徹底しました。そしてこれまで競合他社に向かってしまっていた視線を顧客に向ける業務改善を徹底的に行いました。アルバイトの意見が本社に直接届くシステム「気づきメモ」もその一つです。
こうした現場からの改革とそれを後押しした"絶品"という大ヒット商品によりロッテリアはこれまでとは一味違った新生ロッテリアに変身を遂げたのです。
今回、ロッテリアで売れに売れている、絶品チーズバーガーを生みの親、嶋原博さんに実際この絶品チーズバーガーを作っていただくという、なんとも美味しいロケに参加しました。そして、目の前でつくられた絶品は全てが斬新でした。パテには、裏表があって表から焼かないといけない。その香りはオレガノのいい香り。「塩の振り方は満遍なく」、と言うのは簡単ですが実際やってみると均一に振るのはとても難しい。しかも、レタスやトマト、ケチャップなどは使いません。肉の味が分らなくなり、冷めてしまうから。これだけのこだわりを持ったものを360円で食べることが出来るのかと思うと、ロッテリアの中では高い値段設定にもかかわらず、お値打ちな美味しさだと思いました。
ここまでくるのにおよそ1000個のハンバーガーを食べたという嶋原さん。それでも「まだハンバーガーは食べ足りない」くらいの量だそうです。絶品を開発した当初は、社内で「見た目地味」「売れない」と言われ続け、そうした数々の反対を乗り越えて販売に至ったそうです。
今は、『ハンバーガーだけではまだ改革は道半ば」、と考えているそうで、次の新商品を考案中だそうです。絶品チーズバーガーの後は絶品ポテトフライ?だったら私は嬉しいのですが…