榊原・嶌のグローバルナビ


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第388回 2008年6月21日 放送

環境問題への関心が高まる中、独自のシステムで環境に貢献しているのが複写機大手の富士ゼロックスです。山本社長が「使用済みの商品は資源」と語るように、富士ゼロックスでは古くなった複写機を全国から回収して、新製品の製造に活用しています。

複写機の部品にはそれぞれ使用履歴や通電時間などのデータが残っています。そのデータを元にもう一度使えるかどうかを判断。使える部品は洗浄し、品質検査をした上で再び使われます。こうした“リユース”は設計の段階から強く意識されていて、リユースがしやすい部品を他の部品と分離しやすくしたり、一つの部品を多くの機種で共用できるような工夫が数多くされています。現在、部品のリユース率は68%。残りは、プラスチックや鉄などに分別され再資源化されています。これが富士ゼロックスが構築した資源循環システムで、部品のリユースを行うことによって新品部品だけで製造する場合に比べCO2の排出量が抑制できるのです。今年1月には中国・蘇州にもリサイクル工場を設立。今や資源循環の活動拠点はアジア、パシフィックにまで拡大しています。

また、オフィスでも環境負荷の低減を実現しました。富士ゼロックス本社では複写機やプリンター、ファックスやスキャナーなどを一台の複合機に集約。総台数を84台から30台に削減しました。また情報量を減らさずに紙の使用量を減らす印刷方法や情報を紙に出力しないで、電子データの形で扱うソフトの開発など様々なエコ対策がされています。こうした取り組みにより電力だけでなく紙の量、そしてCO2排出量を減らしているのです。富士ゼロックスでは、自らの本社で展開したオオフィス革命を取引先にも提案。ソリューションビジネスの武器にしています。

最後に山本社長が語った「雲外青天」という言葉。困ったときや物事に暗雲が立ち込めたときは俯瞰してじっと我慢していると晴れ間が出てくるという意味でしたが、ヨット好きな社長の人柄が出ているような一言でした。

「リユースは設計的にはコスト高になるが、総合的にみるとエコロジーとエコノミーは両立する」


ヨットマンの山本社長は、やはり日に焼けていらっしゃる。しかも、ちょっとリゾート地に行って焼いた肌色ではなく、かなり長年太陽に当たってじっくりと色が黒くなったような色をしていらっしゃいます。 その山本社長は大変エコロジーな方のようです。富士ゼロックスでは、まだ環境なんてそれほど叫ばれていない時代からリサイクルに力を入れています。

このところグロナビにはごみの分別の話しがよく出てきます。富士ゼロックスは、部品のリサイクルの分別ですが、その分け方はなんと44種類。とても驚きました。もう一つ、これもエコなのですが、山本社長がスタジオにお持ちになった原稿は、無駄のない両面印刷でした。私達は片面だけ。今までそれが当たり前のように感じていましたが、山本社長の原稿を見て反省しました。身近な所でもエコができるのですね。

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