榊原・嶌のグローバルナビ


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第386回 2008年6月7日 放送

稼働率88%!リピーター率も7割以上というビジネスマンの熱い支持を集めるホテルがあります。宿泊特化型ホテル「スーパーホテル」です。その人気の秘密はどこにあるのでしょう?

全国に80を超える店舗を展開するこのホテルチェーンは、メインターゲットを出張ビジネスマンに絞ってサービスを徹底的に合理化しています。シングルルームの大きさは12平方メートル。大きなベッドが部屋の大半を占め、もちろん広いとは言えませんが、一泊朝食付きで、4千円台から6千円台が中心という価格は大きな魅力になっています。その他、キーレス自動チェックインシステムを採用し、鍵の管理が不要な上、煩わしいチェックアウト手続きもなくしました。

こうした合理化によって低価格を実現する一方、安らかな眠りを提供することには、こだわり抜いています。ロビーにある「ぐっすりコーナー」には、硬さや高さ、そして素材の異なる6種類のマクラが用意され、宿泊客は、自分好みの枕を選ぶことが出来ます。さらに、血液の循環を良くする特殊加工が施されたパジャマも貸し出しています。

そんなスーパーホテルがいま特に力を入れているのが“環境”です。例えば、ベッドの下の空間をなくすことで掃除の手間を軽減した他、白熱灯を蛍光灯に変更。また、エアコンの集中方式をやめて各部屋ごとに設置するなど省エネの取り組みを積み重ねてCO2の削減へと繋げています。いずれもサービスの質を落とすことはなく、特に家庭のようにエアコンを各部屋に設置したとによってきめ細かい温度調節が可能になり、返って満足度が向上しました。こうした取り組み結果、一部屋あたりのCO2排出量は2001年比で現在22.4%削減。これを今年中には25%まで高める計画です。

「安全、清潔、ぐっすり眠れる」をうたうビジネスマンの味方は、今、「日本一のエコホテル」を目指しているのです。

「メーカーさんではないのでシステマチックで革新的なことは出来ないが、 年間250万泊して頂いている顧客の意識を変えていくことは出来るのです 」


「こういうのは初めてで…」と少し照れながらスタジオに入ってこられた山本会長。話し始めると、一つ一つに「そうですよね!」と言いたくなるようほど「いらないものはいらない、いるものはいる」とはっきりと割り切ったビジネスをされている方でした。

「ベッドの下を掃除するのは大変だから、ベッドの下は埋めてしまう」、「ホテルから出て、改めてホテルの外観を見ることはしないから、外観はシンプルでいい」、でも「睡眠は大切だからベッドはクイーンサイズ」「温泉付き」。

確かに仕事などでビジネスホテルに泊まるとき、フロントは豪華できれいなのに、ベッドや枕が合わなくて、なかなか寝付けないことがあります。ホテルはやっぱり寝るところ、体を休めるところですから、寝心地が良くて清潔で安心なのが大切です。そして、それこそがスーパーホテルの精神。ビジネスマンの人気が高いわけが分かります。その人気の高さに、山本会長は、高級ホテルを経営している友人から「お前はいいよな」とうらやましがられているそうです。

使う側の気持ちを半歩先に捉えられることが出来て、サービスとして実践できるかが大切…そんな風にきょうは感じました。

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