榊原・嶌のグローバルナビ


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第368回 2008年2月2日 放送
 

今年1月、住友信託銀行の新社長に大手銀行で最も若い53歳の常陰均氏が就任。その常陰新社長は、新年早々に行った所信表明で、森田前社長が推進してきた“多機能化”を引き継ぎ、“実をあげる”と宣言しました。多機能化とは、資産の運用管理、不動産、年金など信託銀行ならではの機能に加え、ネットバンキングなど事業基盤を拡大すること。森田前社長は、M&Aや資本業務提携を積極的に展開し、この多機能化を推進してきましたが、バトンを受け取った常陰社長は、拡大した機能の一つ一つを更に強化し、自らの体制では確かな結果を出す、としたのです。

   

そんな常陰社長がこだわるのは“信託らしさ”と“住信ならでは”。顧客の立場に立ってオーダーメイドなソリューションを提供していくものです。代表的なものとして遺言信託や不動産、年金などがあげられますが、貯蓄から投資の時代へと変化してきている今、信託銀行へのニーズは高まっています。住友信託銀行では今後、こうした資産の運用・管理機能と金融仲介機能を融合させた「ハイブリッド型信託銀行モデル」を作っていきたいとしています。

   

そしてハイブリッド型信託銀行を完成させるために住友信託が力を注ぐこと、それがCS=顧客満足度の向上です。CS推進部の設置や各現場での取り組みを全行員の体験として共有するイベントなど全社をあげてCS評価NO.1を目指しています。

 

90年代以降の銀行再編劇に唯一関わらず、独自路線を突き進む住友信託銀行。「メガバンクのような規模にこだわらず、相対でソリューションを提供し、付加価値を競争していける規模、シェアを取っていく」という戦略の下、常陰新体制がどのような“実をあげる”のか注目です。

メガバンクと同じ機能での規模を争うつもりはない。「信託らしさ」と「住信ならでは」を縦糸に、CSとCSR(企業の社会的責任)を横糸にしてブランドを作っていきたい。


今年1月に社長に就任されたばかりの、常陰さん。大手銀行では最も若い53歳の経営トップです。僭越ながら、今までの銀行トップの方々とは違うフレッシュさを感じる方でした。放送では、行内に掲げるたくさんのスローガンをご紹介頂き、常陰社長の強い決意が感じられました。

決してメガバンクのような規模を狙うのではなく、質そのもので勝負に出ている住友信託銀行。90年代以降の金融再編劇の中で、大手銀行では唯一銀行名が変わっていないということからも分かるように、独自路線へのこだわりは相当なもの。最近では、ネット銀行初のフルバンキングを始めたりと、事業展開でも独自性を追求しています。

信託銀行は、まだまだ私のような年齢では少し縁遠いかも、と思っていましたが、ネットバンキングなら身近な感じがします。実際、ネット銀行は20代から40代の顧客を獲得しているそうです。そうした獲得した若い世代が、将来、「遺言でも書いてみようか」というときに、住友信託が身近にいる、という感じでしょうか…

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