今回で40回を数える東京モーターショー。世界から241社が参加、542台のクルマが出展され、このうち77台は世界で初のお披露目となりました。しかし、自動車業界はいま逆風の真っ直中。国内の新車販売が33年前の水準に低迷し、クルマ離れさえ囁かれる中での開催となったのです。
本格スポーツカー・GT−Rを、満を持して発表した日産・ゴーン社長は、いま市場に投入する狙いをこう語ります。「日産の象徴を復活させることです。できるだけ多くの象徴的なクルマが望まれています。自動車メーカーである我々はエキサイティングで新しいコンセプトの、より新しい環境にやさしいクルマを発表してこの低迷と戦っていきます」
これに対しトヨタは、レーシングカーのようなハイブリッド本格スポーツモデルやレクサスブランの次世代ハイブリッドSUVなどを展示。環境技術と走りの力強さの両立をアピールしました。自動車メーカーは、いまどきの消費者の気持をどうやったらつかめるのか。若者が「ワクワク・ドキドキするクルマ」とは何かを模索しています。
東京モーターショーは、環境技術の博覧会でもあります。ホンダはハイブリッドカー「CR−Z(シーアール・ズィー)」を発表。次世代のライトウェイトスポーツカーと位置付けています。また、世界初のハイブリッド車「プリウス」を開発したトヨタは、クルマのあり方を原点から見つめ直したというエコカー、「1/X(エックス分の1)」を発表しました。車体重量をプリウスの3分の1に抑え、燃費は2倍にアップしたといいます。家庭用の電源から充電可能なプラグインハイブリッドも採用しています。
更には、ディーゼルエンジンも進化。窒素酸化物などの排出レベルを抑えたクリーンディーゼルとなって、ハイブリッドシステムが先行するエコカーの主役の座を虎視眈々と狙っています。
数々のエコカーが登場してくる中で、いま改めて電気自動車が注目を集めています。三菱自動車が開発した電気自動車「アイミーヴ」は、ガソリンエンジンに比べCO2排出量を4分の1、燃料代は13分の1を達成。2009年の市場投入を目指しています。トヨタ自動車の「アイ・リアル」は、ヒトと車社会との共生を目指した、一人乗り用の電気自動車です。スタイリングはとても未来的ですが、その名の通り実用化を強く意識して作られています。ヒトとクルマの新しい可能性がそこにはあるようです。
私は今回始めて「東京モーターショー」に取材に行ってきましたが、想像以上にとても面白かったです。なんだか未来の世界に行ってきったかのようでした。ホンダの「プヨ」という車は、車体が触るとプヨプヨしていて、人に当たっても怪我をさせないように工夫されていました。つまめるくらいプヨプヨしていました。シートもやわらかくソフトな素材で座り心地も良かったです。
日産の「ピボ2」は人の表情をロボットが読み取ってくれるのです。眠い表情をしたり欠伸をしたりすると、「500メートル先にコーヒーショップがあるからお休みしていきませんか?」なんてドライバーに気を使ってくれるんです。かわいいし、癒されました。いつか、ドライバーが行き先を設定すれば、ロボットとクルマがそこまで連れて行ってくれる時代がくるのかなぁ。
トヨタの「アイ・リアル」も感動しました。いすに腰掛け、両手についているバーを動かすだけで簡単に動くし、かなりのスピードも出るんです。まだまだ、たくさん面白いものがありましたので、皆さんもぜひ「東京モーターショー」へ遊びに行かれてみてはいかがでしょうか。
さて、来週からは「中井さん」がお仕事に復帰されます。お楽しみに。私は3ヶ月という短い間でしたが、ご覧になってくださった皆さん、本当にありがとうございました。またどこかでお会いできる日を楽しみにしています。