第91代総理大臣に福田康夫氏が選出されました。憲政史上、親子2代の総理大臣は初めてのこと。しかし、その前途は多難です。参院選での歴史的敗北に安倍前総理の突然の退陣…。そして衆議院と参議院とで与野党の勢力が逆転する「ねじれ」国会。 こうした前政権の残した負の遺産を背負っての船出となるからです。
福田新政権の印象を政治ジャーナリストの岩見隆夫さんに聞きました。
「臨時国会のための臨時内閣なのはしょうがない。通常国会前に、もう一回改造人事を行うでしょう。今度は福田色を出して、新体制で選挙に臨むのだろうと」
「小泉元首相とは全く違うタイプで、ダイナミズムや大ナタを振うタイプではない。構造改革路線の方向性は変えないといっているが、表紙は同じで中身を変えていくと思う」
「総選挙自体は“春”。その時期の「話し合い解散」だと福田首相も匂わせているが、話し合い解散なんて聴いたことがない。よほど野党意識が強い。「ねじれ国会」は想像以上に難しいのではないか。協調路線で政治が展開すればいいが、現実的ではない」
●経済政策に対して…
「福田首相は増税路線をとりそうな気配で、『消費税率アップはやむをえない』といっている。しかし、やむを得ないという言い方はまずい。積極的に、税率を引き上げることの意味を説明してもらいたい」
「福田さんの場合は、選挙に迎合しないで、やるべきことはやるという姿勢は見られるので、そこに期待したい。小泉改革路線との違いを徐々に言い出すと思うが、 逆に言わないと福田政治はなんなんだとなってしまう」
●外交政策に対して…
「テロ特措法の着地点は見えていない。これをうまく処理できれば有能な総理だということができる。しかし、条件は悪い。世界の中の日本がどうするか、そこまで議論を上げてもらわないと」
「北朝鮮に対しては「対話」といっている。対話というと軟弱外交というイメージがあるが、福田さんは気性の激しいところもあるので、硬軟取り混ぜてやっていくと思う。 この問題は刮目していきたい」
新政権が誕生してから最初のグローバルナビ。毎日新聞の客員編集委員で政治評論家の岩見隆夫さんをゲストにお招きしました。
福田総理が掲げる経済政策ですが、まず、財政再建の目標である2011年までのプライマリーバランスの黒字化については「最大限努力する、先延ばしはしない」としています。しかし、道路特定財源の一般財源化については「もう少し議論を詰めたほうがいい」と発言。その一方で、消費税については「社会福祉を消費税でやっていくのはやむをえない」とし、基礎年金基金への税方式の導入については「検討すべき対象」としています。
改革路線が微妙に変わっていく気配を感じますが、消費税については、ようやく議論が進んでいきそうです。
個人的には、消費税の引き上げはやむを得ないのかなと思います。諸外国に比べても日本の消費税はそんなに高いものではないと感じますし。でもあまり上がりすぎても、やはり困りますけど。
ところで、私は群馬県出身です!!これで群馬県からは4人の首相が誕生したわけです。群馬県人としては大変誇りに感じております。群馬県は「かかあでんかと空っ風」ということばが有名です。昔から、機織などが盛んで、女性が家計を助け、よく働いたことからそういわれるようになったそうです。そんな女性気質も首相誕生に一役かっているのではないかと、密かに考えている群馬県出身の相沢礼子なのでした。