「海の神秘、未来性を 大人から子供まで、大変、喜んでみていただいています」 と、語るのは、新江ノ島水族館 堀由紀子館長です。 夏休みの観光スポットの定番、水族館が、今、様変わりしています。「見て回る」だけのスポットから、「体験する」スポットへ。そのキーワードは、「エデュテインメント」です。
新江ノ島水族館は、2004年にリニューアルオープンし、わずか3年で来館者が500万人を突破するほどの人気ぶり。館内は、平日でも、小さな子供から、リタイヤした団塊の世代まで幅広い層の人たちで埋め尽くされています。その秘密は、「常にフロンティア精神を忘れない」という企画力にありました。新江ノ島水族館の前身である、江ノ島水族館がオープンしたのは、1954年のこと。以来、日本初のイルカショーの開催、日本初の女性トレーナーの投入、日本初の本格的なクラゲの展示など、常に新しい試みに挑む、水族館であり続けてきたのです。
そんな新江ノ島水族館が、今、最も力を入れて取り組んでいるのは、「体験型プログラム」の企画、運営です。水族館一の人気者であるイルカと、直接、触れ合うことが出来る、「イルカと握手!」、「ハッピー・ドルフィン」、さらには水中でイルカを観察できる「シーウォーカー体験」など、予約をしなければならないプログラムも、すでに数多く生まれています。また、女性をターゲットにした水槽の前で寝泊りし、クラゲの夜の生態を満喫できる、「クラゲ・ヒーリング・ナイトツアー」も大人気。水族館はアクティブなスポットに生まれ変わっているのです。
そんな新江ノ島水族館には、こだわりのコンセプトがあります。「相模湾の生態系の再現」です。館内最大の相模湾大水槽の自慢は、8000匹のマイワシの群れ。マンタやジンベイザメといった大型の魚や海獣をメダマにするのではなく、「地元・相模湾のことを知ってもらう」ことこそ、水族館の使命ととらえているのです。
環境意識の高まりも追い風になっています。「新江ノ島水族館では、生涯楽集(しょうがいらくしゅう)と名付けて、小さい子供から、高齢者までが、楽しみながら、環境について学ぶことが出来る水族館を目指しています。」(堀館長)それこそが、「教育(education)+娯楽(entertainment)」の合成語、Edutainment(エデュテインメント)という考え方であり、水族館がビジネス的にも、成功をおさめた鍵となっているのです。
小学校6年生の修学旅行で水族館を訪れ、楽しくイルカショーを観てみんなで大喜びした記憶があります。そう!それが江ノ島水族館だったのです。改めて、今回気がつきました。そして、あの懐かしの水族館の館長さんにお仕事の場所でお会いできるとはとても光栄でした。
水族館はやはりみんなが夢を貰える素敵な場所だと思います。でもそこにはスタッフの24時間休まない努力があったのです。堀館長には時代の流れと共に進化し続ける「水族館」の経営と環境教育とエンターテイメントの融合についてお話を伺いました。
近代的水族館の第一号である「えのすい」(新江ノ島水族館の愛称)は1957年に日本で初めてイルカショーをスタート。80年には日本で始めての女性トレーナーを起用します。88年には日本初の本格的なくらげの展示。そして、2004年のリニューアルオープンと同時に海洋開発研究機構と協力し、日本で初めての深海生物の長期飼育へ挑戦するなど、まさに「日本初」づくし!!この他にも面白い企画がいっぱいの「えのすい」ですが、中でも私は「ナイトツアー」に大変興味を持ちました。大きな水槽の前で、寝袋を持参し夜中も魚たちの姿を観察することができるのです。考えただけでもわくわくしてしまいます。あと私はくらげを観たいな!と思います。とても神秘的なんでしょうね。
ところでみなさんは「エデュテインメント」edutainmentという言葉をご存知でしょうか?education:教育とentertainment:娯楽。この二つの言葉を合成してできた言葉がedutainmentです。新江ノ島水族館は「遊びながら学ぶことができる水族館」edutainmentを目指していて、様々な取り組みに挑んでいます。
館長は「学習ではなく『楽習』をしにいらしてください!」と、とても素敵な笑顔でおっしゃっていました。そうやって水族館に足を運ぶ方が一人でも増えることによって環境問題もより身近に感じられるし、日常の食卓に出てくる魚にも感謝の心を持てるのだと改めて思いました。
皆さんもぜひ新江ノ島水族館に行って楽習されてはいかがでしょうか。因みに私はこの夏、行く予定です!!!