榊原・嶌のグローバルナビ


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第334回 2007年6月2日 放送

固体、気体、液体に次ぐ、第4の存在と呼ばれている、「粉体」。創業以来、90年以上にもわたって、その「粉体」に関する技術にこだわり続けている企業が、大阪に本拠を構えているホソカワミクロンです。

「粉(こな)」と言ってしまえば、それまでなのですが、実は、「粉」には、不思議な性質があります。それは、「粉」の大きさを変えたり、異なる複数の「粉」同士を結合させたりすると、その性質が、様々な変化を見せるということ。この特性を様々な「モノ作り」に活かすテクノロジーが、「粉体技術」です。

粉体技術は、実に様々な分野で活かされています。食品、化学、医薬品などはイメージしやすいと思いますが、今、ニーズが高まっているのは、ズバリ、IT機器関連。例えば、携帯電話は、二次電池、磁石、液晶にファインセラミックス… と、粉体技術なくしては、造れない部品ばかりで出来ています。更に言えば、粉体技術の進化があったからこそ、今のような「小さくて、高機能」な携帯電話が作れるようになったのです。

「粉体」を作るためには、設計の段階からはじまって、粉砕、分級(ぶんきゅう)、混合、造粒など、私たちの想像を遥かに超えた、複雑で、高度なプロセスが必要です。ホソカワミクロンは、この「粉体製造」の全ての工程を専門としています。分類で言うと「機械メーカー」なのですが、「粉体技術に関するあらゆるサービスを提供できる」ことが、強みとなっています。そして、それこそが、「世界一の粉体技術の会社」と呼ばれる所以なのです。

製造業とは、「切っても切り離せない」関係にある粉体技術は、「モノ作り・製造技術」の進化する歩調に合わせ、進化を遂げてきました。今では、社名にある「ミクロン」から、さらに小さな「ナノ」…10億分の1メートルの世界へと技術のレベルは進んでいるのです。

ホソカワミクロンは、コアに持つ、粉体技術やナノテクノロジーを活かした新規事業の開拓にも積極的です。2004年から始まった「化粧品事業」では、女性用のスキンケア商品を発売。美肌効果の高い、高級化粧品として売り出したところ、これが評判を呼びました成分粒子は、毛穴より小さい200ナノメートル。毛根の奥深くに浸透しやすいだけでなく、効果が長時間持続するなどの機能も、その小さな成分粒子に込められていたことが、人気の秘密です。さらに、男性用の発毛料なども、市場投入しています。

燃料電池などの最先端技術の分野でも、ホソカワミクロンのナノ・粉体技術は大活躍。今、実用・商用化に向けて研究が進められている代表選手は、燃料電池のセルです。ホソカワミクロンの持つ最先端技術によって、原材料を、「粉」の段階で高機能化。従来技術で造られるセルを使うより、はるかに高性能な燃料電池を作れるようになってきたといいます。

これまでは、粉体を作るための製造機器・システムを、メーカーなどに売り、その技術的なサービスを提供してきたホソカワミクロンですが、今後は、「高品質の粉そのもので勝負が出来る」と、大きな手ごたえを感じています。

普通、ニーズというものは探し回るものですが、当社の場合、(技術力を評価してくれる)世界中の会社が粉体に関するニーズを持って来てくれるんです。

「今日の話は難しそうだ!」。事前に番組スタッフからもらった資料を読みながら心配していました。なんてったって、ホソカワミクロンは10億分の1メートルという「ナノ」の世界でトップの技術力を持つ企業。私達は理科の授業で物質の3つのかたち「固体・液体・気体」を教わりましたが、それに次ぐ4つ目の存在、『粉体』を扱っているのです。文科系の私には想像力が働かない分野と思っていました。

ところがお話しを伺ってみると、これが結構、面白いのです。学生の頃、こんな授業だったら、私も理系人間になっていたかも、と錯覚してしまうくらいです。まずびっくりしたのが、目に見えないほど小さな粉を作っているだけでなく、その一粒一粒の形も様々で、それぞれのニーズに合わせて作っているということ。雪の結晶が服に付いて、その形が肉眼で見えたときの感動よりも凄い世界なのです。粒子の性質も、その細かさや結合の仕方で変わってしまいます。スタジオには、二つの粉体を合わせて液体と同じような性質となったナノ粒子を持ってきて頂きました。ペットボトルに入ったこの白い粉を手に持ってゆすってみたのですが、その粉は、まるでミルクのようでびっくりしました。まさに、最先端の技術なのですが、こうした粉体技術でしのぎを削る企業が世界中にあり、どんなに凄い技術を持っていても、胡坐をかいていたら、ものの5年で真似されてしまうそうです。

そして、一番驚いたのが化粧品でした。ナノという小さいものなので、もちろん毛穴よりもずっと小さいため、肌への浸透もすこぶるいいのは分かります。ところが、細川社長の肌を見ると、更にびっくり!!83歳のお肌とは思えないほど張りがあって、しかもシミがない。細川社長がおっしゃるには「半年でシミが消えた」と。社長を本番前にメークをしたメークさんも「お年を考えると、ありえないほど張りがある」と絶賛。私も美容液を早速、使わせていただいています。目指せ、細川社長の肌!で頑張っているところです。

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