榊原・嶌のグローバルナビ


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第329回 2007年4月28日 放送

4月27日、三菱地所が手掛ける新丸の内ビルディングがオープンし、13万人もの来場者で大変な賑わいとなりました。新丸ビルは地上38階、高さ198メートル、商業ゾーンには153ものレストランやファッション雑貨の店が軒を連ねています。ターゲットを「大人の男性と女性」に絞ったこともあり、隣接する丸ビルと違う客も多く訪れ、東京・丸の内の人の流れが変わってきました。

この新丸ビルではベンチャー支援事業にも積極的に取り組んでいます。「日本創生ビレッジ」というベンチャー専用のフロアを作り、「新株予約権」という制度を導入したのです。これは、入居した企業の成長を手助けし、その会社が株式上場を果たした後、「市場から利益を得る」という仕組み。「ハードだけでなくソフトを売る」という全く新しいビジネスモデルを生み出したのです。

「環境共生」機能も充実。屋上緑化、ドライミスト装置の導入などでヒートアイランド対策にも取り組み、「地球にやさしい」街づくりを目指しています。この新丸ビルのオープンによって、三菱地所の1998年から始まった「丸の内再生」事業の第一ステージがほぼ完了しました。

しかし、「東京・丸の内再生」に終わりはありません。すでに、丸の内最初のオフィスビルである三菱一号館を「竣工した当時の姿に復元する」というプロジェクトを第二ステージの第一弾としてスタートさせています。完成後は、美術館としてオープンする予定。実は、第二ステージの最大の目的は、「ビジネスだけの街」といった丸の内のイメージを変えることのあるのです。「観光」「文化」「情報発信」という新しい魅力を持った丸の内に生まれ変わることになるのか、どうか…今後10年の「再生プロジェクト」が、その鍵を握っているようです。

単に、丸ビル、新丸ビルがありますというのではなく、丸の内全体を街として、街のブランドとして、開発していきたい。

また東京に新名所が出来ました。それが新丸ビル。オープン初日は13万人もの人が来たそうです。私はどちらかと言うと、騒ぎが収まった頃、そっと訪れる派なんですが、その真逆の初物好きもこんなにいるのです。

今回はグランドオープンの少し前に新丸ビルを取材したのですが、先ず受けた印象が「ビルに流行があるんだな」っていうこと。5年前にオープンしたお隣の丸ビルを見ても分かるように、かつては広くてモダンで白っぽい感じが多かったのが、今は木目の落ち着いた、大人っぽくて重厚な感じがいいようです。ちょっとお先にオープンしたミッドタウンもそんな感じ。ビルは建つまで時間がかかるのに、洋服のように流行があるようです。でも、古い神社やお寺は、年月が経った今も人を惹きつけていますから、最新のビルも何十年後かに、いい感じに熟成しているといいですね。

木村社長とお会いするのは今回で2度目。前回同様、とても元気で、お話を伺っていて気持ちのいい方でした。そして、相変わらず愛煙家。収録が終わってから早速一服されていました。また、原稿や資料などは一切持たず、自分の言葉でずっとお話になっていました。

丸の内は、この10年の間にだいぶ変わりました。私はかつて、大学卒業してすぐに三菱系の企業に勤めていたことがありますが、あの頃の丸の内は、土日になると幽霊都市のように人がいませんでした。木村社長も「土日は二人っきりになりたいアベックしかいなかった街」とおっしゃっていましたが、今じゃ有名ブランドにカフェが並び、365日、人でにぎわっています。ますます、「丸の内で働きたい!」とあこがれる人が増殖しているのではないでしょうか。これから美術館やホテルも新しく出来るそうです。タクシー運転手さんにとっても新たに覚えなくてはならないビルが次々と増えますね。丸の内はまだまだ成長して、一体、東京はどうなっちゃうのでしょう!?

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