#40 2013年1月7日放送
今週のテーマ:「徳川家康」
戦乱の世を治め、その礎を築いたのが江戸幕府初代将軍、徳川家康。同時代を生きた英雄、織田信長と豊臣秀吉との違いはどこにあるのか?なぜ家康は太平の世を築くことができたのか?今回は「徳川家康」に関する謎解き!
慶長8年(1603)征夷大将軍に任じられた徳川家康は江戸に幕府を開きます。その後260余年に渡る太平の世の礎は、人材活用の妙にありました。それまで歴史上に鎌倉幕府と室町幕府という2つの幕府がありましたが、いずれもナンバー2の役職に就いていた者が力を付け、将軍は飾り物に成り下がってしまいました。そこで家康は強力なナンバー2を作らないために、権力と財産を集中させない工夫を施しました。幕政に参画させたのは少ない領地しか与えなかった譜代大名(三河以来の家臣)のみとし、大きな領地を与えた外様大名(関ヶ原の戦い以降の家臣)は幕政に参画させなかったのです。大きな領土を与えた徳川一門も例外ではなく、幕政に参画させていません。また、同じ役職にあえて複数の人間を置き、互いに監視させたりもしました。この絶妙なバランス感覚が安定した政権運営を可能とし、世界でも類を見ない平和な時代を築いたのです。
元和2年(1616)4月17日、75年の生涯を閉じた徳川家康は、現在の静岡市駿河区にある久能山に葬られました。2代将軍秀忠は、直ちに家康を祀る神社の建設に着手。わずか1年7ヶ月で完成したのが、久能山東照宮です。社殿は当時の建築技術の粋を結集して作られた「権現造」の様式で、日光東照宮をはじめ全国各地に作られた東照宮は、これが原型となっています。平成22年には、社殿が国宝に指定されています。
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