#20 2012年8月13日放送
今週のテーマ:「東海道五十三次 其ノ一」
東海道。それは江戸と京都を結ぶ、およそ500キロの旅。その旅の風景を描いた浮世絵が歌川広重の傑作「東海道五十三次」です。この浮世絵には様々な謎が隠されていた?!江戸時代の旅を知ると、江戸時代の暮らしが見えてくる…。ということで、今回は東海道五十三次にまつわる謎解き!
日本道路網の起点は、東京の日本橋。「一歩から 千里へ渡る 日本橋」と詠われたように、江戸時代、人々はここから旅立っていったのです。主な街道は、東海道、日光街道、奥州街道、中山道、甲州街道の五つ。さて、この様々な街道を、江戸時代の人々はどのような旅姿で旅したのでしょうか?まず、頭にかぶるのは雨除けや日除けに重宝した「菅笠」です。着物にはそれぞれ好みがあったようですが、主に「桟留縞の小袖」が着られました。この桟留縞とは、インドのコロマンデル地方のサントメから伝来した木綿の縞織物の事。腰元には護身用の「道中差」。庶民は普段、刀を持つことは出来ませんでしたが、旅の時だけは護身用として帯刀を許されました。また足元は、動きやすいように着物の後ろをたくし上げる「尻端折り」が旅のスタイル。江戸時代の旅人は、長い道中を快適に過ごすため、様々な工夫をこらして旅を進めたようです。
東海道五十三次の藤沢宿は巡礼の旅に出る当時の旅人達の分かれ道でした。ある人は鎌倉へ向う鎌倉道へ、そしてまたある人は江島神社へ向う江ノ島道へと向いました。今回は現在も人気の観光地・江ノ島の江戸グルメ「アワビの粕漬け」を再現して頂きました。現在の江ノ島名物といえば「しらす丼」ですが、当時はもっぱらアワビ料理が名物で、特に「アワビの粕漬け」は漬込むことで日持ちがよくなるため旅人達の土産物として大人気を博したそうです。酒粕の風味が素材の甘味をより引立てる極上の逸品です。
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