今週の謎

#19 2012年8月6日放送

今週のテーマ:「幽霊」

鶴谷南北作「東海道四谷怪談」現代でも語り継がれる、この怪談話が江戸の町でも庶民の間で大人気でした。一体なぜ、怪談話が人気となったのか?江戸で起こった空前の幽霊ブームとは!ということで、今回は江戸の幽霊にまつわる謎解き!

「今週の川柳」
幽霊の裾 牡丹餅を ちぎるよう
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江戸のうんちく学

幽霊や妖怪はホラーものとして映画やアニメ、小説などの様々なジャンルで人気を博しています。現在、私達がもつ幽霊のイメージは、江戸時代に作られた歌舞伎や幽霊画に深い関係があります。日本の怪談劇の代名詞といわれる鶴屋南北の「東海道四谷怪談」は江戸中村座のために書き下ろされ文政8年に初めて演じられた演目です。登場するお岩さんの亡霊の衣装は「漏斗」といって裾が細くすぼまって足が見えないようになっています。幽霊には足がない、というイメージは円山応挙が描いた幽霊画がルーツとされており、それが歌舞伎の衣装に取り入れられ庶民の間に広まっていったといわれています。また、夏の風物詩のお化け屋敷も歌舞伎と関係があります。その始まりは、天保7年(1836年)に両国の回向院で菊岡千吉という細工師が、歌舞伎の夏芝居の演目を元に行なった興行だといいます。「東海道四谷怪談」の場面などを機械仕掛けの人形で再現した見世物でしたが、歌舞伎より安い料金で芝居の雰囲気が楽しめると大評判になりました。江戸の夏が日本の夏をより楽しいものへと変えてくれたのです。

江戸料理のあれこれ

「胡麻素麺」

今回は夏の涼をとる食べ物ということで、素麺を作りました。素麺は兵庫県や奈良県など産地が関西地方に多いことから、上方の食べ物と思われがちですが、江戸時代には既に広く普及していました。また当時から納涼を兼ねた食べ物であったようで、お盆や七夕などの夏の祝い事の際に、素麺を食べる風習が各地に残っています。今回はさっぱりと胡麻つゆで頂きます。節電の夏に昔ながらの手法で涼をとってみてはいかがでしょうか。

おとな浮世絵コレクション

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