#17 2012年7月23日放送
今週のテーマ:「江戸VS上方」
大阪には、東京とは違った独特の文化があります。そのルーツは、江戸時代にあり!政治の中心が江戸に移ったのち大坂が「天下の台所」となったのには、あるワケがありました!上方が辿った新たな発展の道とは一体?ということで、今回は江戸と上方、その文化の違いにまつわる謎解き!
「食い倒れ」と称される町、大阪。たこ焼きにお好み焼き、串カツなど、独特の庶民の味があふれています。そんな豊かな食文化の源流は江戸時代にありました。古より良港に恵まれていた大坂は、江戸時代になると一大商業都市に成長します。その理由は17世紀に整備された西廻り航路の存在です。蝦夷から日本海側をまわり、下関を抜けて瀬戸内海に入って大坂に至るルートで、日本各地から様々な食材が集まってきました。こうして大坂は「天下の台所」といわれる程の繁栄をみせます。全国の優れた食材を使って生まれた食べ物の代表が、うどんです。四国から入ってきた小麦粉で麺を作り、蝦夷・松前の昆布と土佐の鰹節で出汁をとる。醤油は江戸時代に兵庫県で誕生した薄口醤油を使用。日本屈指の上等な食材を一同に集めて完成した大坂のうどんは、実に贅沢な食べ物だったのです。
春が旬の鯛。上方では、煮たり焼いたりとシンプルな調理法が好まれていたようですが、一方江戸では、工夫を凝らした調理法も好まれました。今宵、紹介するのは松川真薯。食感が大事な真薯。調味料を加え、3時間かけて練りあげます。次に、竹皮の上に先程の鯛の皮を敷き、練りあげたすり身をのばし、巻いていきます。この皮目が、松の木の皮に似ていることが、松皮真薯の名の由来。それを蒸すこと、40分。蒸し上がったら、3センチほどに切り分け出汁を掛ければ出来上がりです。
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