今週の謎

#7 2012年5月14日放送

テーマ:「初鰹」

18世紀後半、江戸の町に初鰹ブームが到来!当時の人々はこの初鰹を誰より早く食べようと躍起になっていたようです。高級魚は様々あれど、なぜ江戸の人々は初鰹に熱狂したのか!?初鰹を江戸へ運んだ驚きの輸送技術とは!?答えはあの有名な浮世絵の中に!江戸で流行した「大酒大喰大会」と初鰹ブームを紐解く、意外な共通点とは?ということで、今回は初鰹にまつわる謎解き!

川柳
目と耳は いいが口には 銭がいる
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江戸のうんちく学

江戸の町近郊では、伊豆、房総、相模などでカツオが獲られていましたが、特に相模沖で獲れたカツオが「鎌倉のカツオ」と呼ばれ、人気を博しました。現在では漁船に保冷槽があり、水揚げしたカツオはすぐに氷詰めにされ、保冷車で運ばれるため、食卓まで新鮮なまま届きますが、冷蔵・冷凍技術のない江戸時代に、鎌倉から江戸までどうやって運んでいたかと言うと…重要な役割を果たしたのが「押送船(おしおくりぶね)」という小型船でした。帆と櫓の両方を備え、風雨を問わず運行し、「江戸時代一の快速船」と言われています。この「押送船」に何か特別な工夫があったのかというと、実はそうではなく、どんな状況下でも人力で船を動かせるように、できるだけ軽く設備も最小限に作られていたのです。まさに板子一枚、下は地獄、そんな船で船乗りたちは「初鰹」を待ちわびる江戸に向けて、ひたすら櫓を漕ぎ、船を操ったというのです。江戸の「初鰹」ブームを支えたのは、船乗りの底力でした。

江戸料理のあれこれ

「初鰹の銀皮造り なまりの黄身酢和え」

江戸っ子が競って食べたがった初鰹。今回は豪勢に銀皮造りで頂きます。現在はショウガと醤油で頂くのが一般的ですが、江戸ではからしを付けて食べるのが当たり前だったのだとか。そして足の早い鰹は当時、翌日には刺身で食べられなかったのですが、それでも鰹が食べたいと言って食されたのがこの「なまり」です。蒸した鰹をキュウリと和えて、「黄身酢」という江戸風マヨネーズで頂きます。江戸っ子の初鰹への愛着が伺い知れます。

おとな浮世絵コレクション

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