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2003年11月23日(日) テーマは『坐骨神経痛』

今週のドクター 今週のドクターは、
総和中央病院 整形外科
須郷 正徳先生



【略歴】

’89年

富山医科薬科大学医学部卒業
卒後 東京慈恵会医科大学整形外科医局に在籍
脊椎外科を中心に診療に従事

’02年 総和中央病院整形外科部長
脊椎脊髄外科指導医

【ドクターの一言】
加齢だけでなく、過労やストレスも腰や背中の痛みの原因となるようです。そうした方たちのお役に少しでも立てればと考えております。


CONDITION OF ILLNESS 病気と症状のメカニズム

データなんとなく足が重く鈍〜い痛みを感じる…普通に歩いていてもピリピリとしびれているような感じがする…ときには激痛がきてとても歩けない!そんな症状に心当たりのある方、もしかしたら坐骨神経痛かも知れません。男女とわずに50代で発症することが最も多い坐骨神経痛。神経痛のなかで、最も起こりやすい坐骨神経痛。たいていはまず腰の痛みが現れます。続いて、データ太ももの後ろ側、ふくらはぎ、そして足首まで痛みが走るようになります。特に、お尻や膝の後ろ側の痛みは強烈!痛みと共にしびれも現れてきます。そのため歩くことがだんだん辛くなってきます。歩き始めはなんでもなくても、しばらく歩くうちに腰から脚にかけて、しびれてきたり痛くなったりして、ふくらはぎが張ってしまい、脚が前に出なくなってくるのです。しばらく休むとしびれや痛みがなくなって、データまた歩けるようになります。これが、坐骨神経痛の最も特徴的な症状で、『間欠跛行』と呼ばれています。ご存知のように私たちの身体には、神経が張り巡らされています。神経は、脳からの指令を全身に伝え、痛みや熱などの感覚を脳に伝える役割を果たしています。例えば、一匹の蚊が近づいてきたときは…蚊に刺されたぞ、という刺激が神経を通って脳に伝えられると、脳からは、蚊を追い払え、データという指令が伝わります。こうして、蚊を追い払う事ができます。私たちの背骨には、脊髄馬尾神経という神経が通っています。馬尾神経というのは、脊髄の先から細く分かれた神経のこと。その馬尾神経がまとまったものが、太さ1pの神経根、そして、神経根が、さらにまとまったものが、坐骨神経です。実は、坐骨神経痛というのは、坐骨神経の根元にあたる神経根や馬尾神経が何らかの理由で圧迫される事によって起こる痛みやしびれのことなのです。ふとももやふくらはぎに出る痛みが、データ湿布やマッサージをしてもおさまらないのはこのためです。馬尾神経の通り道が脊柱管。本来は、神経を保護する役割をしているのですが…実は!この脊柱管が狭くなることによって、馬尾神経や神経根が圧迫されるのです。坐骨神経痛の患者さんは50歳前後から急激に増えはじめます。最大の原因は、残念ながら、やはり老化に伴う骨や関節の変化!腰の骨の間には、クッションのような役割をする椎間板があります。正常な椎間板は、たっぷりと水分を含んでいます。しかし老化に伴い、この椎間板の水分が減少し弾力を失います。すると、データ椎間板は除々に磨り減り、背骨をうまく支えられなくなります。骨は、防衛本能から、大きく丈夫になって、背骨を支えてやろうとします。その分、脊柱管はせまくなり、馬尾神経が圧迫されるのです。これが,腰部脊柱管狭窄症という病気によって起こる坐骨神経痛です。さらに、腰の骨を支える力が弱くなる事で起こるのが、腰椎変性すべり症です。椎間板が弱くなると、データ強い力が加わる事によって腰の骨が前方にずれることがあります。骨がずれる事によって、脊柱管は狭くなり、やはり神経が圧迫されます。さらに、ずれた骨は馬尾神経を取り巻く靭帯に傷をつけてしまいます。このとき、馬尾神経を取り巻く靭帯が引っ張られます。引っ張られた靭帯は修復される時以前より厚くなります。その靭帯が神経や神経根を圧迫します。このように、坐骨神経痛は、主に腰の骨の老化によって引き起こされます。しかし、若い人の中にも坐骨神経痛に悩む人はたくさんいます。ここで登場するのはお尻にある「梨状筋」という筋肉。データ坐骨神経は、通常、この筋肉の内側か外側を通っています。しかし、稀に筋肉の間を通ってしまう場合があるのです。すると、梨状筋によって、坐骨神経そのものが圧迫され、痛みやしびれがあらわれます。坐骨神経痛がひどくなると、足のしびれや痛みの他にも、こんな症状が現れます。冷えやほてりを感じたり、締めつけられるような感じを覚えるなどの、知覚異常。筋力の低下による脱力感。ひどい場合は歩行困難に陥ることも。さらに、馬尾神経の中に、排泄をコントロールしている神経があるため、データ神経が強く圧迫されると、排尿や排便が上手くできなくなることさえあります。その程度によって、痛みやしびれ以外にも、様々な症状を起こす坐骨神経痛。あなたも何か、心当たりはありませんか?

EXAMINATION 検査
坐骨神経痛の検査法
問診 痛みの場所や腰を前後に反らせて現れる痛みを調べる
触診 反射検査や知覚検査で痛みやしびれの場所を調べる
歩行負荷
テスト
歩行による負荷をかけて痛みが出るまでの距離や痛みの場所を調べる
単純X線検査 骨の変形を調べる
CT検査 X線では映らない神経の圧迫を調べる
脊髄造影検査 姿勢の変化によって現れる神経の圧迫を調べる
MEDICAL TREATMENT&MEDICINE 治療と薬
FRONTIER 最先端技術
データ坐骨神経痛の手術は、神経を圧迫している骨と肥大した靭帯を取り除く、という方法が一般的です。しかし、従来の手術は、傷跡も大きく、回復までに時間がかかることから、患者さんには大きな負担がかかっていました。そこで現在、最も負担がかからない手術として注目を集めているのが3次元顕微鏡を使った手術。3次元顕微鏡は、主に脳の手術などで使われています。これによって、より細かい作業が可能となったため、通常の手術では15pの傷口もわずか4pで済みます。この手術では、神経を圧迫している部分の骨だけを取り除きます。さらに、その場所から、馬尾神経を傷つけないように神経を圧迫している靭帯を取り除きます。メスを入れる範囲が小さいのでデータ後2〜3日で歩けるようになり、わずか2週間で退院できます。現在国内での手術例は200例。いずれも順調に回復し、患者さんに負担の掛からない最先端手術として注目を集めています。
SELF MEDICATION 自己管理

データデータデータデータデータデータデータ

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坐骨神経痛の最も大きな原因となるのは、腰の骨や関節の老化です。弱った骨を支える手助けになるのが、腹筋や背筋。これを鍛えれば腰の骨への負担を軽くできます。50代から始められる腰痛予防体操です。
【腹筋運動!】
よくやる腹筋運動はコレ。でも、こんなふうにちゃんと起き上がれますか?どうしても起き上がれなかったり、反動をつけてしまう場合は、次のような方法を試して下さい。片足をゆっくり上げて2秒間静止させて、ゆっくり下ろす。無理はしないように、10〜20回を目安とします。これがきつい場合は、お腹を見るようにして頭を上げてそのまま2秒間止めます。10〜20回です。
【背筋運動!】
仰向けに寝て、肘を立て、腰を上げて、2秒間止め、ゆっくりと下ろします。この運動は、太ももの筋肉強化にもなります。
【腰の運動!】
両手をついて、腰を上下にゆっくりと動かします。腰を左右に回す筋肉も鍛えられます。
【筋肉を伸ばす運動!】
筋肉を伸ばすための体操です。まずは背筋。背中が伸びるようにイメージしながら、前屈します。ゆっくりと行う事が大切です。
両手をついて片足ずつゆっくりと伸ばします。太ももからふくらはぎの筋肉も同時に伸ばす事ができます。
さらに腰の骨の負担を軽くするために必要不可欠な筋肉、皆さんご存知でしたか?それは太ももの筋肉です。
【太ももの運動!】
まっすぐ立って、背筋を伸ばした状態で、ゆっくりと膝の屈伸を行います。きつい場合は、軽い曲げ伸ばしをしましょう。
ところで、腰に負担をかけずに太ももを鍛える、とっておきの方法をご存知ですか? それは・・・・自転車に乗る事!実は、自転車に乗ったときみんな腰を前にかがめています。老化が原因で起こる坐骨神経痛のほとんどは、前かがみの姿勢になると痛みが和らぎます。つまり、自転車は、腰に負担をかけずに太ももを鍛える事ができるのです。

坐骨神経痛に悩まされる前に、まずは、軽い体操から
少しずつ筋力をつけて
坐骨神経痛とは無縁の腰を作りませんか

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