今週のドクターは、 三井記念病院 総合健診センター 山門 實先生
【略歴】
群馬大学医学部卒業後、三井記念病院内科入局 オハイオ医科大学内科留学後、 東京大学医学部第二内科で医学博士を取得
【ドクターの一言】 健康はあなた自身の、また家族のそして社会の財産です。一人の健康の経済効果は約一億円に相当するとされています。健康診断や人間ドックを利用し「健康を自分で守る」という考えを持って下さい。 【著書】
健康診断。4月になると学校や職場などで定期的に行われてますね。しかし、実際に受けている人は国民の約6割。機会が無かったり、億劫だったりする人も多いんです。医学の進んだ現在でも、病気の早期発見は治療のための最大のポイントです。そのためにも健康診断を、皆さんはちゃんと受けていますか?貴方の知らない間に健康診断も進歩しているんですよ!。本日の「健康DNA」では一般的な健康診断の最新情報から‥世界初の「感覚ドック」による五感の機能チェックまで、テイクツーが皆さんに代って健康診断を実際に体験致します。果たしてテイクツーの診断結果や如何に?今週の健康DNAは「春の健康診断スペシャル」です!
こちらは東京にある神尾記念病院。世界初の「感覚ドック」が受診出来る所です。でも、初めて耳にする感覚ドックとは、どういう検査なのでしょう?まずは問診から。続いては目や鼻、耳を直接診ていきます。赤い鼻粘膜も鼻炎に罹っていると白っぽくなります。そして深沢さんは、聴力、味覚、嗅覚の感覚ドックで検査を受けることに‥。「純音聴力検査」では「オージオメーター」から出る音を聞き取りますが、まずはヘッドフォンから出る音を聞き取る「気道聴力検査」から。ヘッドフォンから流れる音を患者さんが聞き取り、音が聞こえなくなったらボタンを押して検査員に知らせるシステムになっています。実は聴力には2種類あり、「気道聴力」は鼓膜を振動させて、音を聞き取る聴力。一方、鼓膜を使わず、直接頭蓋骨から伝わって来た音を聞き取るのが「骨導聴力」です。次は「骨導聴力」を調べましょう。この装置から同じような音が出てきます。そして装置を耳の後ろに当てて音を聞き取るのです。続いては「ティンパノメトリー検査」、鼓膜に圧力をかけ、正常にふるえて機能しているかを調べます。これらの検査によって聴力の異常、難聴の度合いが分かります。検査の結果は全く異常なし!次は「電気味覚検査」です。装置から舌に電流を流し、味覚神経が反応するかどうか調べます。首のアースから電流は体外に出るので危険はありません。刺激が分かったらボタンを押します。舌の神経が集中しているのはこの4ケ所。そこを刺激します。このほか、試薬を使った味覚のチェックも行われています。甘みや苦み、酸味などの試薬が用意されており、患者さんの感覚の鋭敏さをチェックするためそれぞれの味が5段階の濃さに別れています。深沢さんの場合、電気味覚検査では舌の神経に電流を流して刺激する検査では、舌の奥の方の神経が正常以下でしたが、舌先の神経は鋭いという結果が出ました。一方、甘みや苦みの試薬を使った検査では、全体的になんとか正常の範囲に止まっている事が分かりました。トータルで深沢さんの味覚には異常なし、正常です。最後は「基準嗅覚」の検査です。こちらも5つの種類の香りをつけた試薬が用意され、それぞれの香りが5段階の強さに別れています。これらの試薬を深沢さんが鼻でかぎ分ける検査を行った結果、これまた異常なし。無事、検査終了です。 東さんに受けてもらったのは平行感覚と目の検査。まずは一般的な視力検査からスタート! 現在はこのように、覗くだけで自動的に視力を測定してくれる検査装置があるんです。東さんの場合、左右で視力にバラつきがあるようです。続いては眼圧検査。眼に風を当てて眼圧の状態をチェックする装置です。次は平行感覚をチェックする「重心動揺検査」。装置の上に立っているだけで、体のブレを重心動揺計が測定、平行感覚の機能を調べてくれます。まずは60秒の間静止。次に目を閉じ60秒間静止します。検査の結果は、目を開いていても閉じていてもブレが少なく、平衡感覚が正常であると分かりました。反対に、メニエール病や脳の血管の障害などがある場合、このようなブレが計測されるのです。続いては「めまい」の検査。目の周囲にある筋肉がどのように動くかを様々な方法でチェック。そこからめまいとして現れる異常がないかどうかを診断します。まずは「視標追跡検査」から。左右や上下に現れる赤い光。その光をしっかり目で捉えられるかどうかをチェック。もしも、光を目で追う事が出来なくなっている場合は、脳の血管に腫瘍や病気のある疑いが出てきます。赤い光の動きの幅を広げながら、脳の機能をチェックして行きます。目の動きは随時細かくチェックしています。次に「フレンツェル眼鏡」をかけて検査を続けて行きます。この眼鏡はめまいを起こしやすいよう、眼の焦点が合わせられなくしてあるもの。この検査では頭の位置を左右に変え、めまいの発生する具合や状態をチェックして行きます。具体的には、どんな検査結果が現れるのでしょう?正常であれば目は動きません。しかし、メニエール病などで脳や視神経に異常のある場合、目の動きにブレが出てしまうのです。次は「視運動性めまい検査」です。横切る光の柱を目で追えるかどうかをチェックします。この検査も視神経と脳の動きの異常がないかチェックするもの。異常があると目がついていかなくなります。左から右へ逆方向の動きもチェックして検査は終了。最後に眼底の検査のため眼底写真を撮影します。この撮影は目に強い光を当て、他の検査が出来なくなるため、最後に行われるのです。確認した結果、東さんの眼底には何の異常も見受けられません。もし糖尿病などがあれば、眼底に出血や黄斑などが見られます。という訳で東さんの視覚、平衡感覚には問題なし。全て正常!