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2003年4月6日(日) テーマは『健康診断』

今週のドクター
今週のドクターは、
三井記念病院 総合健診センター
山門 實先生



【略歴】

’72年

群馬大学医学部卒業後、三井記念病院内科入局
オハイオ医科大学内科留学後、
東京大学医学部第二内科で医学博士を取得

’94年〜 三井記念病院総合健診センター所長、現在に至る

【ドクターの一言】
健康はあなた自身の、また家族のそして社会の財産です。一人の健康の経済効果は約一億円に相当するとされています。健康診断や人間ドックを利用し「健康を自分で守る」という考えを持って下さい。

【著書】
治療薬マニュアル 医学書院
今日の治療指針 医学書院
循環器疾患―state of arts 医歯薬出版


CONDITION OF ILLNESS 病気と症状のメカニズム

データ健康診断。4月になると学校や職場などで定期的に行われてますね。しかし、実際に受けている人は国民の約6割。機会が無かったり、億劫だったりする人も多いんです。医学の進んだ現在でも、病気の早期発見は治療のための最大のポイントです。そのためにも健康診断を、皆さんはちゃんと受けていますか?貴方の知らない間に健康診断も進歩しているんですよ!。本日の「健康DNA」では一般的な健康診断の最新情報から‥世界初の「感覚ドック」による五感の機能チェックまで、テイクツーが皆さんに代って健康診断を実際に体験致します。果たしてテイクツーの診断結果や如何に?今週の健康DNAは「春の健康診断スペシャル」です!

EXAMINATION 検査
テイクツーの2人が健康診断を受けに訪れたのは三井記念病院総合検診センター。各種の検査や人間ドックが専門の施設です。今回受けるのは6時間程で全てが終わる日帰り健診。具体的な内容としては生理機能検査レントゲン血液検査などが挙げられます。健診の前にまず問診カードに記入。日頃の食生活や運動週間など、多方面に渡る項目について患者さん自身で書き込みます。そして実際の検査がスタート!2人がまず伺ったのは採血室。血液検査では通常、採血してから1週間〜10日程度各種内臓の機能・血糖値・コレステロールなど様々なことが分かります。続いて血圧も検査。東さん、深沢さんとも血圧は正常でした。次に東さんが受けたのは心電図検査。これは心臓の拍動のリズムが正常かどうかを調べるもの。とはいえ、実際の測定は5分程度であっという間に終データわりますよ。十二誘導心電図は最もよく行われる方法。この検査のポイントは不整脈の発見など。東さんの拍動は乱れの無いシッカリしたものです。ちなみに脈が早くなる不整脈の一つ、「発作性頻拍」があるとこうなります。続いて東さんは動脈硬化のチェックへ。この検査では手足の血圧や、血流の速度を測り、そこから動脈硬化の進行具合を割り出して行きます。この検査であらわされるデータPWVとは脈の伝わる速度から血管の硬さを計測するもの。赤いラインが年齢での平均値。これより上だと動脈硬化が進行しています。2人とも正常範囲内でした。同じ頃、深沢さんは超音波検査室へ。こちらは超音波検査機を使って、頸動脈の動脈硬化を映し出そうというものです。超音波診断機で頸動脈にエコーをあてていきます。データ深沢さんの頸動脈に異常はありませんでした。動脈硬化があると、このように動脈が膨らんで映ります。2人とも、大変キレイな頸動脈で二重丸!続いて深沢さんが受けたの腹部エコー検査。やはり超音波を使って、データ肝臓・膵臓・腎臓・秘蔵・胆嚢の健康状態を調べます。まずは肝臓をチェック。胆石があるとこんな具合に映ります。続いて肺機能検査室では、電子スパイロメーターを使い、肺機能全般に関する検査を行います。
総合健診(1)
血液検査 肝臓・胆のう・すい臓・腎臓などの内臓の機能
を調べる
総コレステロール・HDL・LDL・中性脂肪などの脂質と尿酸の代謝異常を調べる
血圧測定 高血圧・低血圧を調べる
通常は130〜85mmHg 
100mmHg以下は低血圧
12誘導心電図 心臓の血管の動脈硬化を調べる
心臓の拍動を調べて不整脈を発見
心臓の壁の厚さを調べる

総合健診(2)
脈波伝播速度
太い動脈の動脈硬化の進行度を調べる
エコー検査
頚動脈エコー 頚動脈の動脈硬化(壁の厚さ・アテローム)を調べる
腹部エコー 内臓の形や状態を調べる
胆石・腫瘍・のう胞・脂肪肝の発見
肺機能検査
総肺活量や1秒量を計測
ぜんそくや肺炎などの肺の病気全般を調べる
検査メニューはこれから更に盛り上がります!東さんがやってきたのは皆さんもおなじみですよね。胸部X線検査です。この検査は肺癌の発見や肺の病気全般のチェックが主な目的です。深沢さんがやって来たのは、データ骨量測定。この測定機に仰向けに寝て、ジッとしているだけで、骨量(骨の密度)が測定出来てしまう検査で、中高年女性の骨粗鬆症の検査などにも使われる方法です。次に深沢さんのCT検査。様々な方向からX線を照射して内臓の状態をチェックします。患者さんは安静にして横たわっていればよいだけ。検査に要する時間は10〜15分態度です。こちらがデータ実際にCTで映し出された深沢さんの内蔵です。心臓・大動脈・肺などの状態が断面図の形でハッキリと分かりますね。CTは現在、肺癌をはじめとする内蔵の癌の早期発見にはかかせない検査です。一方こちらはMRを使った検査。人間の体の70%は水分で出来ているのは皆さんご存じですね。そこで、データ我々の体に磁力を当てると、体の中にある水素原子核が共鳴します。この時、私たちの体から放射される電波を測定して映像化するのがMRIの原理。その結果、水分の含有量が少ない骨は映らずに内蔵や脳だけを見る事が出来るという訳です。10〜20分、台の上で安静にしていると、データこのような画像が撮影出来ます。こちらが東さんの脳。脳梗塞や脳出血による白い陰も見当たらず、状態は極めて良好のようですね。また、同じシステムを使って、脳の血管だけを映し出すMRAも最近ではよく使われています。
総合健診(3)
胸部
レントゲン検査
エックス線で肺や心臓の状態を調べる
肺炎や肺結核、肺がん、心肥大の発見
胸の大動脈の変化や静脈瘤を調べる
骨量測定 骨に含まれる骨塩量(カルシウム)から骨密度を調べる
CT エックス線を多方向からあてて肺や内臓を調べる
肺がん、肺気腫、内臓疾患の発見
MR 磁気を使って脳や内臓を様々な角度から見る
MRIは脳梗塞や脳腫瘍の発見
MRAは血管を中心に撮影。動脈瘤などの発見
データところで気になる費用の方は?血液検査やX線検査など、 一般的な日帰り健診の受信料としては、およそ3〜5万円が目安となります。その他、オプションの脳ドックや骨粗鬆症の検査はご覧のような金額が目安。
FRONTIER 最先端技術

こちらは東京にある神尾記念病院。世界初の「感覚ドック」が受診出来る所です。でも、初めて耳にする感覚ドックとは、どういう検査なのでしょう?まずは問診から。続いては目や鼻、耳を直接診ていきます。赤い鼻粘膜も鼻炎に罹っていると白っぽくなります。そして深沢さんは、聴力、味覚、嗅覚の感覚ドックで検査を受けることに‥。「純音聴力検査」では「オージオメーター」から出る音を聞き取りますが、まずはヘッドフォンから出る音を聞き取る「気道聴力検査」から。ヘッドフォンから流れる音を患者さんが聞き取り、音が聞こえなくなったらボタンを押して検査員に知らせるシステムになっていデータます。実は聴力には2種類あり、「気道聴力」は鼓膜を振動させて、音を聞き取る聴力。一方、鼓膜を使わず、直接頭蓋骨から伝わって来た音を聞き取るのが「骨導聴力」です。次は「骨導聴力」を調べましょう。この装置から同じような音が出てきます。そして装置を耳の後ろに当てて音を聞き取るのです。続いては「ティンパノメトリー検査」、鼓膜に圧力をかけ、正常にふるえて機能しているかを調べます。これらの検査によって聴力の異常、難聴の度合いが分かります。検査の結果は全く異常なし!データ次は「電気味覚検査」です。装置から舌に電流を流し、味覚神経が反応するかどうか調べます。首のアースから電流は体外に出るので危険はありません。刺激が分かったらボタンを押します。舌の神経が集中しているのはこの4ケ所。そこを刺激します。このほか、試薬を使った味覚のチェックも行われています。甘みや苦み、酸味などの試薬が用意されており、患者さんの感覚の鋭敏さをチェックするためそれぞれの味が5段階の濃さに別れています。深沢さんの場合、電気味覚検査では舌の神経に電流を流して刺激する検査では、舌の奥の方の神経が正常以下でしたが、舌先の神経データは鋭いという結果が出ました。一方、甘みや苦みの試薬を使った検査では、全体的になんとか正常の範囲に止まっている事が分かりました。トータルで深沢さんの味覚には異常なし、正常です。最後は「基準嗅覚」の検査です。こちらも5つの種類の香りをつけた試薬が用意され、それぞれの香りが5段階の強さに別れています。これらの試薬を深沢さんが鼻でかぎ分ける検査を行った結果、これまた異常なし。無事、検査終了です。
東さんに受けてもらったのは平行感覚と目の検査。まずは一般的な視力検査からスタート! 現在はこのように、覗くだけで自動的に視力を測定してくれる検査装置があるんです。東さんの場合、左右で視力にバラつきがあるようです。続いては眼圧検査。眼に風を当てて眼圧の状態をチェックする装置です。次は平行感覚をチェックする「重心動揺検査」。装置の上に立っているだけデータで、体のブレを重心動揺計が測定、平行感覚の機能を調べてくれます。まずは60秒の間静止。次に目を閉じ60秒間静止します。検査の結果は、目を開いていても閉じていてもブレが少なく、平衡感覚が正常であると分かりました。反対に、メニエール病や脳の血管の障害などがある場合、このようなブレデータ計測されるのです。続いては「めまい」の検査。目の周囲にある筋肉がどのように動くかを様々な方法でチェック。そこからめまいとして現れる異常がないかどうかを診断します。まずは「視標追跡検査」から。左右や上下に現れる赤い光。その光をしっかり目で捉えられるかどうかをチェック。もしも、光を目で追う事が出来なくなっている場合は、脳の血管に腫瘍や病気のある疑いが出てきます。赤い光の動きの幅を広げながら、脳の機能をチェックして行きます。目の動きは随時細かくチェックしています。次に「フレンツェル眼鏡」をかけて検査を続けて行きます。データこの眼鏡はめまいを起こしやすいよう、眼の焦点が合わせられなくしてあるもの。この検査では頭の位置を左右に変え、めまいの発生する具合や状態をチェックして行きます。具体的には、どんな検査結果が現れるのでしょう?正常であれば目は動きません。しかし、メニエール病などで脳や視神経に異常のある場合、目の動きにブレが出てしまうのです。次は「視運動性めまい検査」です。横切る光の柱を目で追えるかどうかをチェックします。この検査も視神経と脳の動きのデータ異常がないかチェックするもの。異常があると目がついていかなくなります。左から右へ逆方向の動きもチェックして検査は終了。最後に眼底の検査のため眼底写真を撮影します。この撮影は目に強い光を当て、他の検査が出来なくなるため、最後に行われるのです。確認した結果、東さんの眼底には何の異常も見受けられません。もし糖尿病などがあれば、眼底に出血や黄斑などが見られます。という訳で東さんの視覚、平衡感覚には問題なし。全て正常!

病気の早期発見にも役立つ感覚ドックは5つの感覚を検査して
1万9,800円というお値段。
勿論、一人で全て受診出来ます。貴方の感覚は大丈夫ですか?

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