大切な手の自由を奪う腱鞘炎。その原因がどうやら
女性ホルモンのバランスにあることはわかっていました。しかし、そのメカニズムが完全に解明されたわけではありません。そこで本日のドクター
山口先生は、その原因を解明する研究を行っています。その結果、腱鞘炎発症のメカニズムがわかってきたのです。腱鞘炎を最も発症しやすいのは
妊娠中の方。妊娠すると急激に
減少するホルモンがあるのです。それは、おなじみ女性ホルモン代表の
エストロゲン。さらにこのエストロゲンは、
更年期に入ってからも急激に減っていきます。では、腱鞘炎発症の鍵をエストロゲンが握っているというのか?
以前からエストロゲンには体内のコラーゲン繊維を柔らかく保つ効果があることはわかっていました。実は、腱や腱鞘はコラーゲン繊維で出来ている!そのために、エストロゲンが減少すると、
腱が硬くなっていく!その上、腱鞘からやわらかさが失われ傷んでくると
サイトカインという体内物質が作られます。このサイトカインは私たちの体に
痛みを発生させる物質です。さらにサイトカインは傷んでしまった腱鞘を修復するように命じます。しかし、修復しようとしても、エストロゲンが充分出ない為に、本来の腱鞘ではなく
質の悪い腱鞘が作られてしまいます。これが腱鞘炎発症のメカニズムです。現在は質の悪い腱鞘を作る原因であるサイトカインを抑えようという研究が進められています。
2〜3年以内には、サイトカインを抑える飲み薬やぬり
薬が完成する見込みです。