花粉症になりやすい体質を改善し、
花粉症を完治させる!そんなワクチン療法の研究が進んでいます。いまや
国民病ともいえる花粉症のワクチン。それは一体、どんなものなんでしょうか?千葉大学
岡本 美孝先生の専門は、耳鼻咽喉科。患者さんの協力を得て、2004年から、
ワクチンによって花粉症を治療できないかという課題に取り組んでいます。花粉症のワクチンとは、どんなものなんでしょうか?「根本的な治療がないかとい
ったことで、いくつか検討を行っています。その一つが
BCGが用いたワクチン治療で、これは理科学研究所と共同研究を行っています。」BCG?あのツベルクリン反応でおなじみ。結核を予防するためのワクチン、BCGが花粉症に有効?
BCGを注射すると、身体は、結核の細菌が入り込んだと思って、それに対抗しようとします。すると、細菌やウイルスを攻撃する免疫機能、
Th-1が活発になります。花粉症になりやすい体質の人は、このTh-1の働きが低下していたため、Th-1が活発になれば、
Th-2とのバランスが正常に戻って、花粉症の症状もおさまってくるのです。
では、実際の治療法をご紹介しましょう。
3倍に薄めたBCGを、3ヶ月おきに3回注射します。Th-1が、強い反応を起こして、かえって
免疫のバランスが崩れないよう、様子をみながら慎重に行われます。それにしても、どうして、花粉症を治療するために、BCGを選んだんですか?「
BCGのワクチンは、
非常に安全性が高いのです。特に結核菌というのは、花粉症と最も相反するようなアレルギー性鼻炎症を引き起こしていると、考えられています。」
現時点では、まだ、データの分析が終わっていませんが、
この治療を受けた、およそ半数の患者さんに、症状が軽くなる、といった効果があったということです。では、岡本先生、今後の課題は?「何よりもやっぱり、その結核をBCGを投与することで
上手くアレルギー反応を抑制出来る人達。
なかなか反応が出にくい人達。そこで
何が違うのかということを明らかにする必要があるのだろうと思います。」ワクチンは、まだ開発段階。そこで、
今すぐ実行できる予防法をご紹介します。花
粉症を悪化させないためには、当然、花粉が身体の中に入らないようにするのが一番。そのためには、
マスクを正しく使うことが大切です。マスクは、このような
不織布の素材を選びましょう。不織布のマスクは、目が細かいため、花粉をほとんど通しません。また、
不織布のマスクの多くは、鼻の形にフィットするので、呼吸がしやすいのです。高いマスクを長く大切に使い続けるよりも、安くてもよいので、
不織布のマスクを、毎日新しく変えて、清潔なマスクを使うようにしてください。マスクを正しく使えば、花粉症の予防に必ず役立つはずですよ。外出した時は、花粉を家の中に持ち込まないことも大切です。
家に入る前は、衣服や髪についた花粉を十分に落としましょう。さらに、
手を洗い、うがいをして、皮膚や粘膜についた花粉を落とします。1日のうちで、最も花粉が飛ぶ量が多いのは、
午後1時〜3時まで。できれば、その時間帯の外出は、避けたほうがよいでしょう。