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2005年10月2日(日)、9日(日)
テーマは『アミノ酸』 |
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【ドクターの一言】
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〈素朴な疑問〉
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 私達の体、その約２０％は、蛋白質から出来ています。皮膚、筋肉、内臓は勿論、血液や骨、何と髪の毛まで、タンパク質が主な材料です。そして、その蛋白質の元、それがアミノ酸！これが、アミノ酸の結晶の顕微鏡写真。アミノ酸は種類によって、一つ一つ、その形が全く違っています。人の体にあるアミノ酸は、全部で２０種類。それが組み合わったものが蛋白質！アミノ酸とタンパク質。その関係は、 アルファベットと英単語のようなものです。アルファベットの組み合わせで単語が産まれるように、アミノ酸から様々なタンパク質が生まれる！たとえば、アミノ酸のうち、シスチンは
皮膚を作るタンパク質の主成分。そしてグルタミンは筋肉を作るタンパク質の主成分です。では、体の中で、アミノ酸はどのように、筋肉や血、髪の毛に変化するのでしょう？食べ物を食べると、その食べ物に含まれるタンパク質は、 食道から胃へ。そして胃に入ると、消化酵素の働きでドロドロになります。更に小腸で初めて、アミノ酸という、非常に細かい形に分解されます。その後、小腸の壁に幾つもある、細い血管の中に入ると・・・血液によって、肝臓へと運ばれます。そして、再び肝臓から血液によって体の各細胞に運ばれ、そこで、各部分に必要な形のタンパク質に再生されるのです。正に、アミノ酸は体を作るために不可欠の成分！東京大学大学院・大谷勝先生は、アミノ酸の人体への影響について、研究を続けています。大谷先生は、アミノ酸に疲労物質を抑える働きがある事を、実験で確認しました。その実験がこちら！まず、 仕切られた部屋を低酸素の状態にして、中でジョギング！すると、低酸素状態のため体の疲労はより大きくなります。この時、筋肉には、疲労物質の乳酸やアンモニアが、大量に発生。その数値を計測しておきます。そして、充分な休息後、アミノ酸のバリン、ロイシン、イソロイシン、アルギニンなどを、先に飲んでから運動をします。これらのアミノ酸には、筋肉から乳酸が発生するのを、抑える働きがあります。 そして、運動後の血液を採取。
アミノ酸を摂らないで運動した時とアミノ酸を摂ってから運動した時、それぞれの血液中で発生した、乳酸値とアンモニア量を比較します。すると、アミノ酸を飲んだ後の方が、どちらの数値も低くなる事が分かりました。つまり、肉体疲労にアミノ酸が効いたという訳です。しかも、アミノ酸が効くのは肉体疲労だけではありません！筋肉で作られたアンモニアは 血液中に入り、やがて体中に運ばれて行きます。そして脳に辿りつく、そこで脳の神経に悪影響を与えます。これが精神疲労の原因！この時、効果を発揮するのがアルギニン。アンモニアを尿素に分解させます。無毒化する肝臓の働きを活性化させます。すると当然、精神疲労も起こりにくくなる訳です。私達の体を作る上で欠かせないアミノ酸。それは同時に、肉体疲労は勿論、精神疲労にも効果のある成分だったのです！
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『アミノ酸』とからだ
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 私達の体を作る上で、なくてはならいアミノ酸。そのアミノ酸の種類は２０種類。これらアミノ酸、実は体や脳内で分泌されるホルモンの材料でもあります。そのため、アミノ酸が不足すると様々な体の異常が！その一つが 睡眠障害！脳内ホルモン・セロトニンの原料であるアミノ酸・トリプトファンが不足すると、その結果、脳に影響が出て、睡眠障害を起こしてしまうのです！脳内ホルモンのセロトニンには、喜びや快楽を左右するドーパミンや、 恐れや驚きを司るノルアドレナリンをコントロールして精神を安定させる作用もあります。そのため、セロトニンの分泌が足りないと、気持ちがイライラして、眠りも浅くなります。つまり、セロトニンの原料であるアミノ酸・トリプトファンが減ることが、睡眠障害に繋がるのです。トリプトファンは牛乳に多く含まれるアミノ酸。寝る前に牛乳を飲むとよく眠れるのも、トリプトファンがセロトニンを沢山作り出して、精神を安定させるためなのです。また、セロトニンの分泌が長期に渡って 低下すると、低セロトニン症候群に！その症状は、睡眠障害をはじめ、精神の鬱状態、過食症、頭痛、筋肉痛と、多種多様。この病気、女性に多い事も分かっています。また更に、アミノ酸の不足は、免疫機能の低下にも繋がります！免疫機能。それは、体内に侵入した、ウイルスや細菌を退治して、風邪や肺炎などの感染症から体を守ったり、体内に発生した 癌細胞を撃退する大切な働き。実はアミノ酸の一種、アルギニンには細菌やウイルスを食べる免疫細胞マクロファージを、活性化させる働きがあります。このマクロファージが少ないと、風邪をひきやすくなったり・・お年寄りの場合であれば、肺炎にかかり易くなったりします。グルタミンも、免疫細胞のキラーＴ細胞を活性化します。このキラーＴ細胞は、体内で発生した癌細胞など、 特に異常細胞を見つけると、直ぐ退治にかかる「殺し屋」的存在。アミノ酸不足で、免疫細胞の活動が低下すれば、当然、癌を発症する可能性も高くなる訳です。
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『アミノ酸』と病気
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疲労回復に効果のある事でよく知られる成分「タウリン」。このタウリンも、実はアミノ酸の仲間。イカやカキなどの魚介類に多く含まれています。私たちの体内でも、心臓、筋肉、脳、肝臓をはじめ、殆どの臓器に
含まれています。その総量は体重６０キロの人で６０グラムと、体内のどんなアミノ酸より多いのです。体の至る所に存在するタウリン。それだけ体に重要な役割を担っているとも言えますが、その具体的な働きとは？まず、よく知られている
疲労回復について。タウリンは筋肉での乳酸の発生を抑えます。これは、グルタミン、バリン、ロイシン、イソロイシンといったアミノ酸と同じ働きです。しかし、タウリンには、疲労回復だけにとどまらない効果があります！そう、タウリンには、注目すべき
３つの大きな力があるのです！タウリンの３大パワー
その１。肝機能を高める！肝臓は血液中の毒素を解毒しますが、タウリンにはこの解毒作用を高める作用があります。更に肝細胞が何らかのダメージを受けた時には、その再生力をアップさせる作用もあるのです。
３大パワーその２。コレステロールの代謝促進。コレステロールの摂り過ぎは肥満をはじめ、様々な生活習慣病の原因！特に動脈硬化を起こせば・・危険な心筋梗塞や脳梗塞の引き金になる事もあります！これに対して、タウリンには、体内のコレステロールを排出して、血液や肝臓のコレステロール値を下げる働きがあります。３大パワーその３。心臓機能の強化！心臓は常に筋肉を動かして、全身に血液を送り出しているポンプ。タウリンには、
心臓の筋肉の動きを助けると共に、血管の弾力を高める働きがあります。弾力が低ければ血圧は下がり、高血圧も予防出来る訳ですね。
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セルフメディケーション
〜からだにいい生活〜 |
 私達の体の基本であるアミノ酸。２０種類のアミノ酸のうち、１２種類は、人間の体内で作られますが、残りの８種類は、食べ物から摂る必要がある必須アミノ酸です。その必須アミノ酸を効率よく摂るには、どんなものを食べればいいのでしょう？料理研究家、上村泰子先生は、生活習慣病予防のメニュー作りには、 かねてより定評があります。アミノ酸スコアとは様々な食品に含まれる、アミノ酸の吸収率を表した値。このアミノ酸スコアを、何枚かの板で作った「樽」にたとえてみましょう。もし、板の長さが不揃いなら、水は一番短い板の所までしか入りません。同じように体内のアミノ酸吸収率も、一番低いところのアミノ酸まで下がってしまうのです。アミノ酸スコアが１００とは、全アミノ酸の吸収率が一番高いレベルで揃い、バランスよく摂取出来る食 材の事です。では、実際には、何を食べればいいのでしょう？アミノ酸スコア１００の優等生は卵。全てのアミノ酸の量が多く、しかもバランス良く含まれています。その他、肉や魚、乳製品といった動物性蛋白質も、アミノ酸スコアは１００。効率よく摂取出来ます。 しか〜し！卵や肉には、コレステロールや脂肪も多く含まれていて、そればかり食べていては、生活習慣病の危険大！どういう組み合わせがいいんですか？私達が毎日食べているご飯にも、アミノ酸は含まれています。ただし米のアミノ酸スコアは６５。リジンが不足しています。そのご飯と組み合わせるといいのが大豆食品。  何とアミノ酸スコアは１００。しかも、大豆食品は、ご飯のスコアまで引き上げるので、アミノ酸を無駄なく吸収出来るのです。大豆食品の代表といえば、大豆をタップリと使った味噌汁！そして・・納豆も、勿論スコア１００の大豆食品！ご飯に味噌汁、納豆。このシンプルな組み合わせで、動物性脂肪を摂ることなくアミノ酸が摂れるのです！皆さんも、アミノ酸を効率よく、美味しく摂って、健康な身体を作って下さい。 |
