Self Docter Net
BS-i TOP

健康DNA ロゴ
ONAIR
CONTENTS TOP番組紹介今週のDNA!!
今週のドクター
ドクターQ&A
ご意見募集
バックナンバー
著書紹介

バックナンバー
2005年9月18日(日)、25日(日)
テーマは『体脂肪』

今週のドクター
今週のドクターは、
高輪メディカルクリニック 院長
久保 明先生


【略歴】

 

慶應義塾大学医学部卒 医学博士

  米ワシントン州立大学医学部留学
  内分泌学会、内科学会、糖尿病学会の専門医
  亜細亜大学客員教授。日本抗加齢医学会理事

【ドクターの一言】
生活習慣病の統合医療とエイジング・抗加齢医学を中心に“最新情報を最前線の診療に生かす”がモットー。

【著書】 単著
「快体心書」   産能大出版
「内分泌代謝疾患クリニカルガイド」   HBJ出版局
「健康おもしろブック
     ”あなたの脂肪を科学する”」
  中央労働災害防止協会
「糖尿病・安心への戦略」   廣済堂出版
「セルフケアハンドブック」   厚生省共済組合
「生活習慣病・成人病がわかる本」   法研出版
「「心のカゼ」の処方箋」   光文社社出版
/カッパブックシリーズ
「健康寿命ドック」   勁文社

共著

「スポーツ医学からみた
    年代別・性別スポーツ指導」
  文光堂
「体力アップレシピ」   法研出版
「フットセラピーで美しく」   廣済堂出版
「走って走って 歩いて歩いて 痩せる!」   辰巳出版
「あなたのベストサプリメント 
    vol.1、2、3、4」
  (株)ドラックマガジン
(発売元)
「実践予防医学ー理論と実際ー」   診断と治療社
「女性のためのパーフェクトサプリメント
    ブック」
  主婦の友社

〈素朴な疑問〉
〜なぜお腹に脂肪がたまる?〜

データおお、見事な大トロ!美味しそう!大トロの命は、口の中でフワリととろけるあの食感!その実体は・・・脂肪!この脂肪ののったトロはマグロのお腹の部分ですよね。こちらは根強いファンが多い豚の角煮。この柔らかい脂身が美味しさの秘密ですが・・ 角煮に使うバラ肉も・・・豚のお腹のお肉。マグロも豚も、お腹に脂肪がたまっているんですね!そして・・・私たち人間も!脂肪がたまるのは、まずお腹!日本大学 大学院 医学研究科 松原 義之先生は、脂肪を蓄える脂肪細胞の働きと、肥満によってデータ病気が起こるメカニズムを研究しています。松原先生!どうしてお腹に脂肪がたまるんですか?脂肪は食べたものを保存しておく場所。腸というのは、たくさん栄養分を吸収する。腸の周りにも脂肪は、べったりつく」この黄色いのが、腸のまわりにべったりついた、脂肪。腸の間データにある膜や、腸の前後で腸を支えている膜に脂肪がついていくのです。こちらは、お腹を輪切りにした写真。白く映っているのが脂肪です。皮膚のすぐ下についているのが皮下脂肪、腸の周りについているのは、内臓脂肪です。口から入った食べ物に含まれる脂質や糖質は、小腸で吸収されます。吸収された脂質や糖質は、中性脂肪となって血液中を移動。これが、身体を動かすエネルギーデータ源になるのです。もし、このエネルギー源が血液中に余分にあると、腸の周りにある脂肪細胞に、一時的に蓄えられて、脂肪細胞は大きくなります。これがお腹につく脂肪。脂肪細胞はあくまでも一時的な保管場所なので、エネルギーが足りなくなると、たくわえられた脂肪が真っ先に使われて、脂肪細胞も小さくなります。それなのに、どうして脂肪はどんどんたまっていくんでしょう?「内臓脂肪は、食べた物をすぐに溜め込むけど、すぐに代謝されて、本来は溜らない。年を取ると余計に食べたり、運動不足になることによって、エネルギーに変えられない内臓脂肪が大きくなって、お腹に脂肪が溜る」年とともに内臓脂肪が溜まってきてお腹が出てしまうんですね。データじゃあ、同じお腹にたまっている脂肪なら、マグロや豚も、年を取っている方が脂が乗って美味しいっていうこと?答えはNO!同じお腹でも、トロは、筋肉の中の脂肪。そして、豚バラは、皮膚の下の皮下脂肪なんですよ。マグロや豚の脂は、年齢とは関係ありません。さて松原先生、今後の研究課題は?「皮下脂肪は病気を起こさないが、内臓脂肪は病気を起こす。量の問題ではなく、質の問題。そういうところに目をつけて研究している」
『体脂肪』とからだ
データどんどん太っていく…。体中に脂肪がついていく…。その原因は、食べすぎや飲みすぎで、栄養を摂りすぎてしまうことです。こちらは、一日に使う栄養を、年齢別に示したグラフ。15歳まではたくさんエネルギーを使っていますが、年をとるにつれて、データどんどん少なくなっていますね。それなのに、若いときと同じように食べ続けていると、余った栄養が脂肪としてどんどん溜っていきます。この、余分なエネルギーを溜め込む場所が、脂肪細胞なのです。脂肪細胞は、脂肪を溜め込むうちに、どんどん大きくなります。データこれが、「肥満」。何と最大、100倍もの大きさになるのです。脂肪細胞の大きさこそが肥満を招く!!・・・だけだと、思ったら大間違い!なんと、脂肪細胞は、増えるのです!!これまでの研究では、脂肪細胞の数は、18歳で250億〜300億になり、それからは増えないと言われてきました。ところが、実は18歳以降も、どんどん増えつづけ、800億〜1000億個にもなることが分かってきたのです。データ増え続ける脂肪細胞。しかもひとつひとつが大きくなり肥満を招くのです。肥満は肥満でも、病気をなりやすいのが、お腹に脂肪が溜る内臓脂肪蓄積型肥満。ただ脂肪をたくさん溜めこんでいるだけだと思っていたら、大間違いです。大きくなった脂肪細胞は、病気の原因となる様々なホルモンを分泌データします。それが一体どんなことを引き起こすのか?大きくなった脂肪細胞は、血液を固まりやすくするホルモンを分泌します。血管の壁からは、血流をスムーズにするため、血液を固まりにくくする物質が常に分泌されています。ところが、その働きを妨害するのが、脂肪細胞が分泌するホルモン。逆に血液を固まりやすくしてしまいます。そのため、血栓ができて、血管が詰まりやすくなるのです。つまり、動脈硬化が起こりやすくなります。もうひとつ。大きくなった脂肪細胞は、データ血管の壁を固くするホルモンも分泌します血管の壁は、3つの層に分かれていますが、大きくなった脂肪細胞から出るホルモンは真ん中の血管平滑筋細胞を増殖させてしまうのです。こうして壁が固くなると血管の通り道が狭くなり、高血圧や動脈硬化の原因になります。つまり大きくなった脂肪細胞は、血液や血管にダメージを与えてしまうのです!さらに、最近の調査で、肥満の女性と、ある病気に、大きな関係があることが明らかになりました。データそれは、大腸がん。まずは、おなじみになった肥満の判断基準、BMI(ボディー・マス・インデックス)を調べます。BMIは体重 割る 身長の2乗と計算します。25以上が「肥満」です。例えば、身長165センチ、体重70キロの人のBMIは25.7。すでに「肥満」ということになります。もし、40歳以上の男女のうち、BMIが、21前後の痩せ型の人の大腸がんの発症率を1とすると…BMI26〜27のデータやや肥満気味の女性ではなんと2.3倍に!男性のほうは0.7倍と関連は認められません。さらに! BMI28以上の、肥満の女性は、大腸がんの発症率が、なんと3.4倍も高いことが分かったのです。2003年以降、同様の調査結果が、日本で次々と発表されています。
『体脂肪』と病気

データ恐ろしい病気を引き起こす内臓脂肪蓄積型肥満。実は、心臓の血管を詰まらせ、死の危険をも招く心筋梗塞の発症率を、10〜30倍にも引き上げる原因にもなっているのです。内臓脂肪蓄積型肥満が招くのが、メタボリック・シンドロームデータメタボリック・シンドロームは、内臓脂肪蓄積型肥満を中心に、高脂血症、高血圧、糖尿病が次々と起こり、互いが互いを悪化させていく状態です。その結果、動脈硬化が起こりやすくなる上、どんどん悪化させるのです。メタボリック・シンドロームによって合併した病気の数と心臓病のデータ発症率の関係をみてみましょう。2つの病気を合併していると、心臓病の危険性は10倍に!!さらに、3〜4つを合併していると、危険性は何と30倍にもなります!!お腹が気になっているあなた!もしかしたら、メタボリック・シンドロームに陥っているかも知れません。なんだか心配という方、ちょっとチェックしてみましょうデータ最初のチェックポイントはお腹まわり。男性で85cm、女性で90cm以上の人は要注意。さらにこんな条件が加わると…血液中の中性脂肪値が150以上、または善玉コレステロールが40未満という血清脂質異常や上が130以上、または下が85以上 という高血圧、空腹時の血糖値が 110以上の高血糖。こんな症状が2つ以上当てはまるとメタボリック・シンドロームに陥っている可能性あり!ただし、この基準値は、実は、高血圧や糖尿病の診断基準よりかなり厳しく設定してあります。例えば、高血圧の基準は、上が140以上か、下が90以上。メタボリックシンドロームの方が10低いのです。糖尿病と診断される血糖値は、データ126以上。メタボリックシンドロームは、予備軍の人でも、アウトです!こんなに厳しいのは、病気を起こす前に治療を始めようと言う理由から。このメタボリック・シンドロームの中心が、ほかならぬ、内臓脂肪蓄積型肥満なんです!大きくなってしまった脂肪細胞が出すホルモンデータこれがメタボリックシンドロームに大きく関係しています。そのホルモンがTNF―α。インスリンの働きを悪くします。インスリンは、肝臓や筋肉の細胞に働きかけて、「エネルギー源のブドウ糖を細胞に取り入れよ」という指令を出しています。インスリンの働きを悪くするホルモンは、その指令を妨害。ブドウ糖はうまく細胞の中に取り入れられなくなります。これが、「インスリン抵抗性」。すると、ブドウ糖が血液中に増加する高血糖の状態となります。これが、糖尿病を招くのです。データそして、いったん「インスリン抵抗性」が起こると、動脈硬化が起こりやすくなることが分かっています。インスリンは、体内で一酸化窒素という物質を作るために、なくてはならないものです。一酸化窒素は、血管の壁をやわらかくして拡張させたり、血を固まりにくくして、血栓が作られるのを抑えるなど、動脈硬化を抑える働きをしています。「インスリン抵抗性」によって、インスリンの働きが悪くなっていくと、一酸化窒素が作られなくなります。そのため、動脈硬化が起こりやすくなってしまいます。メタボリック・シンドロームには、それぞれの病気がどんなに軽くても、ひとたび病気が合併すると、心臓や脳など、命に関わる病気を発症する危険性が、急激に高まる怖さがあるのです

セルフメディケーション
〜からだにいい生活〜
データ最近、お腹のお肉が気になる…、という方に朗報!実は、身体の脂肪を燃焼させやすくする食べ物があるというんです。料理研究家、上村泰子先生は、糖尿病や高血圧など、生活習慣病にならないためのメニュー作りに定評があります。上村先生!データ身体の脂肪が燃えやすくなる食べ物って、いったい何ですか?「それは、これ、羊のお肉です。羊のお肉には、中性脂肪を減らすカルニチンという成分が入っています。これは中性脂肪を下げる働きがあるんです。」一見、牛肉や豚肉と変わらないマトン。脂肪を燃やすカルニチンはどのくらい多いのでしょう?例えば、豚肉100グラムに含まれるカルニチンは20ミリグラム。牛肉には、データ50〜75ミリグラム。これが、マトンでは、何と200〜250ミリグラムも含まれているんです。子羊の肉、ラムにも、100〜150ミリグラムのカルニチンが!しかも、羊の肉は他と比べて、脂肪の量が少ないのです。そこで、本日は、羊のお肉を使って、体脂肪を燃やしやすくする、手軽で美味しいメニューをご紹介します!!まずは、マトンを使った一品。羊は匂いが苦手、と言う方のために、始めに、一工夫。データカレー粉を使います!(1)下ごしらえの段階で、カレー粉、塩をまぶしておきましょう。(2)フライパンで、まず、たまねぎを炒め、続いてマトンを炒めます。さらにカレー粉を加えて、じっくり火を通します。(3)ここにコンソメスープを加え、柔らかく煮てゆきます。十分火が通ったら、今度は、マトンをさらに柔らかくする一工夫。(4)そこで出てきたのが、パイナップル。これを、マトンを煮込んでいるフライパンの中に大胆に加えます。「パイナップルは、タンパク質の分解酵素が含まれていますから、マトンやラムを非常に柔らかくしてくれるんです。付け込むと柔らかくなりすぎますからデータ炒めるときに入れましょう。とても消化がよくなります。」(5)火を止める前に、食物繊維たっぷりのオクラを入れて、さらに消化のよいメニューにします。マトンとパインのドライカレーの完成。カルニチンは1人前、210ミリグラムです!続いては、ラムを使った一品。(1)この料理には、薄切りのラムを細かく切って使います。脂肪が気になる人はこのときに取って下さいデータ。(2)最初に、味噌・砂糖・醤油・豆板醤で、調味料を作りましょう。エスニックな雰囲気が漂ってきました。(3)野菜は、5ミリ角に刻んだ、にんじん、竹の子、長ネギ、にんにく。 そして赤唐辛子。これをごま油で炒めます。実は、赤唐辛子を入れるのも、体脂肪をさらに燃やしやすくするポイント。「赤唐辛子には、体脂肪を燃焼させるカプサイシンが入っていますデータ(4)炒めた野菜にラム肉を加え、十分火を通します。(5)最初に作っておいた、特製の辛みそを加えましょう。十分、火が通ったら、(6)最後に食物繊維たっぷりのレタスで包みます。彩りに、長ネギときゅうりを添えてラムのレタス包みの完成。カルニチンは一人前、112ミリグラムです!カルニチンたっぷりの羊の肉で、脂肪を燃焼。体脂肪が気になる方、是非、お試し下さい。

copyright(C)