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2005年7月10日(日)、7月17日(日)
テーマは『ビタミンE』

今週のドクター
今週のドクターは、
京都府立医科大学 内科
吉川 敏一先生


【略歴】

’73年

京都府立医科大学卒。
現在、同大学第一内科学教室教授

’84年 ルイジアナ州立大学客員教授
’93年

東京大学先端科学技術研究センター客員教授
日本フリーラジカル学会会長などを務める

【ドクターの一言】
老化の元凶は活性酸素です。皆さん、「もう年だから」などと諦めないで下さい。ビタミンEなどの「抗酸化物質」を摂って体内の活性酸素を消し去りあらゆる老化現象をストップさせましょう。


【著書】
「専門医が教える ビタミン・ミネラル早わかり」   幻冬舎
「フリーラジカル入門」   先端医学社
「フリーラジカルの科学」   講談社
「よくわかる最新版ビタミンブック」   主婦の友社
「不老革命」   朝日新聞社

〈素朴な疑問〉

データA、B、C、D、E、など、たくさんあるビタミン。ではビタミンとはそもそも、身体の中でどんな働きをする栄養素なのでしょう?そして、一体どんな形や色をしているのでしょうか?女子栄養大学教授、安田先生は、データビタミンを研究し続けて40年。ビタミンに関する、我が国の権威のお一人。わずかこれだけで、何とレモンおよそ10個分ものビタミンC!これがビタミンCの結晶。ビタミンの結晶は種類によって、それぞれ違った形をしています虹色に輝いていますが、これは光の当て方によるものデータ本来は、全て白い色をしているのです。ビタミンって何なのですか?不足すると病気になってしまう。それがビタミンに共通する特徴。そもそもビタミンの発見も、欠乏からくる病気がきっかけでした!たとえばビタミンC発見のキッカケは、18世紀、イギリス海軍で流行した病気から!当時、長く船に乗っている兵士達の間に・・歯ぐきや皮膚の内部に出血し、ついに死亡する謎の病気が大流行!その時、一人の軍医が、データ死亡患者は兵士に多く、士官にはごく稀である事に気づきました。どうやら、病気の原因は食事の違いらしい。そこで患者を2つのグループに分け、一方には、兵士に与えられるいつもの食事を。もう一方には、そこにライムやレモンを添えた士官用の食事を与えました。すると ライムやレモンを食べた患者達は、みるみる元気に!ライムやレモンに含まれる何かが不足すると、出血が起きる!でも、その正体、まだハッキリとは分かりませんでした。それが分かるのは、200年ほど経った1932年、ハンガリーのセント・ジェルジーによって発見されました。実はこれこそビタミンCだったのです!では他のビタミンは、どうやって発見されたのでしょう?ビタミンBは、1911年、ポーランドのフンクにより、データ脚気を防ぐ栄養素として発見されました。ビタミンAは、目の病気を防ぐ栄養素として、アメリカのマッカラムによって、1913年に発見。ビタミンDは、骨が曲がってしまうクル病の原因を探していた、アメリカのメランビーが、1919年に発見。そしてビタミンEは、動物の不妊症を研究していた、アメリカのエバンスが、1923年に発見しました。こうして、1910年から僅か40年ほどの間に、現在知られているビタミン13種類全部が発見されたのです。では、ビタミンEとは、どのようなビタミンなのでしょう?ビタミンEは木の実の脂肪に多く含まれ、データその他にも野菜、魚など、いろいろな食材に含まれています。主に、血流を良くし、ホルモンバランスを整えるビタミンとして、知られてきました。しかし!ビタミンEの働きで近年、大きく注目されているのが抗酸化作用!ビタミンE。それは、癌や動脈硬化など、様々な生活習慣病の原因となる活性酸素から、我々の体を守ってくれる貴重な存在だったのです!
『ビタミンE』とからだ
データ近年 注目されているビタミンEの抗酸化作用でも、そもそも酸化って何?たとえば鉄が錆びつく。使用済みの天ぷら油が次第に黒ずみ、ネバネバしてくる皮を剥いたリンゴを放っておくと、段々赤茶けた色に変わる。これらは全て空気中の酸素が鉄や油、リンゴを酸化させた結果!データ実は、私達の体内でも、同じような酸化が起きているんです!その原因こそ、活性酸素!活性酸素は、私たちの体の細胞が、酸素を使って体に必要なエネルギーを作る過程で発生。この活性酸素が、細胞そのものを酸化させてしまうのです。つまり、普通に呼吸をするだけでも、活性酸素は体の中で次々と作り出されているのです!そして他にも活性酸素の増えるデータ原因が!体内に細菌やウイルスが侵入すると、白血球が活性酸素を作って細菌を殺します。しかし、この時、活性酸素は、同時に私たちの細胞そのものにもダメージを与えてしまうのです。それどころか、体を何処かにぶつけても、活性酸素は発生してしまう!たとえば、転んで足を床に打ち付ける。このとき、ぶつけた場所の細胞が潰れると・・そこから、白血球を呼び集めるサイトカインという物質が放出されます。そのため、細菌もいないのに白血球が集まり、データ細胞のダメージを細菌の仕業と勘違いして、活性酸素で攻撃。炎症を起こしてしまいます。何と、胃炎から歯肉炎まで、体中の炎症全てに活性酸素が深く関わり、至る所で悪さをしていたのです。その他にも、活性酸素発生の原因の一つが紫外線!紫外線を長時間浴びていると、その刺激によって、データ皮膚の中で活性酸素が作り出されてしまうのです。喫煙も大きな原因!現在では煙草を吸うと、体内の至る所で、活性酸素の発生する事が判っています。活性酸素による酸化。そのダメージを最も受けやすいのが細胞膜や核。細胞膜が活性酸素によって酸化されると、弾力が失われ、硬くなってしまいます。そして最後には、細胞自体が死んでしまう事も!また細胞の核が酸化すると何と恐ろしい癌細胞に変化する事もあるのです!そして、血液の中にある脂肪分・・・コレステロールが活性酸素によって酸化されると、動脈硬化の引き金にもなる!、このように、データ様々な生活習慣病の黒幕、それが活性酸素です。しかし、この活性酸素から私たちを守ってくれている、救世主がいました!それが・・抗酸化ビタミン、ビタミンE!ビタミンEはふだん、私たちの細胞膜に存在しています。そして活性酸素が近づいてくると、活性酸素に取り付き、その毒性を失くしてしまうのです。これぞビタミンEの抗酸化作用!つまり、ビタミンEこそが、酸化による生活習慣病、癌、動脈硬化は勿論、様々な病気予防をする体内のガードマンだったのです!!
セルフメディケーションポイント!  
『ビタミンE』と病気

データ体内で活性酸素を抑えてくれるビタミンE。でも、もし何かの理由でビタミンEが不足して・・・活性酸素が野放しになったら?私たちの身体には、どんな悪影響が現れるのでしょうか?活性酸素は生活習慣病をはじめ、様々な病気の原因物質!中でも、最も危険とされているのが・・動脈硬化との関わり!血液中のコレステロールが、活性酸素と結びつくと・・コレステロールは酸化。この酸化コレステロールは血液中を漂いだします。すると、この体内の異物を退治しようと、集まってくるのが白血球。こちらは血管内にデータ集まってくる白血球の映像。この白血球が、酸化コレステロールを食べはじめます。しかし、酸化コレステロールの量が余りに多いと、白血球はパンパンに膨れてしまい、そのまま血管の内壁に付着。こうして、血管を狭めて動脈硬化を引き起こします。更に、そこで血栓が出来る危険も高まります!この血栓がほかへ飛んで、もしも心臓の冠動脈に詰まれば心筋梗塞に!データ脳の血管に詰まれば脳梗塞!命の危険にさらされます!しかし、抗酸化力のあるビタミンEが活性酸素を退治すれば、心筋梗塞や脳梗塞の危険は防げます!日本人の死因第一位といえば癌。その癌の発生にも、実は活性酸素が関係していたんです!癌は細胞の異常による病気。正常だった細胞が、発癌物質などの刺激で、癌細胞に変化するのです。そして、その変化に関係していたのが活性酸素!発癌物質が正常な細胞を刺激するとき、活性酸素が発生。この活性酸素が、データ核を酸化させると遺伝子に変化が起こり、正常な細胞を癌細胞に変えていたのです。しかし、ビタミンEが活性酸素の毒素を消し、核を酸化しなければがんも発生しません。逆に、もしEが少ないと、癌細胞がどんどん増えて行きます。癌細胞が増える際にも、活性酸素が生まれ、その活性酸素が、癌細胞の増殖に拍車をかけてしまうのです。つまり、ビタミンEがたっぷりあれば、癌の発生から増殖までも、抑えられるという訳です!
セルフメディケーションポイント!  

セルフメディケーション
〜からだにいい生活〜
データ癌や動脈硬化を防いでくれる攻酸化ビタミン、ビタミンE。私達の体に必要なのは、一日におよそ7ミリグラムです。ビタミンE、7ミリグラムの目安は、大豆ならば389グラム。これは大変!ほうれん草も多いですね。たらこは塩分が気になります。アーモンド、これならなんとかいけるかも!しかも、生活習慣病対策には、それ以上の量のビタミンEが必要となります!では、どうすればいいのでしょう?管理栄養士、上村泰子先生は、糖尿病や高脂血症など生活習慣病にならないためのメニュー作りに定評があります。データ上村先生、体の中で、より活発にビタミンEを働かせるためには、どんな食べ方をすればいいんですか?実は、一度活性酸素を抑えると、ビタミンEの抗酸化力は失われてしまいます。しかしビタミンCには、抗酸化力を失ったビタミンEに働きかけ、もう一度、その力を蘇らせる作用があるのです。更に、ビタミンAにも抗酸化力があります。そのためビタミンEだけを摂るのではなく、一緒にCを摂るのが効果的!では、データそのメニューを御紹介しましょう!素材はビタミンEがたっぷりでビタミンCも含まれているほうれん草。まず、ほうれん草をボウルに入れ、次にアボガドを。この時点で、一人前のビタミンEの量は既に4.2ミリグラム。更に、ビタミンEの豊富なひまわり油を使ったドレッシングであえます。よーく 混ぜ合わせて、お皿に盛りつけます。お好みでゆで卵をのせたら・・・ビタミンEの豊富なアーモンドスライスを乾煎りしてパラパラパラと振りかけます。アーモンドをトッピングすることで、香ばしさに加えて、データビタミンEの量が飛躍的にアップするんです!この段階で、一日に必要なビタミンEをクリアしていますが、さらに! ここで登場するのが先程のレモン!ビタミンCの豊富なレモンを加えて、抗酸化力の高まる ほうれん草サラダが完成!サラダの他に、もう一品、そこで作って頂いたのはビタミンEが豊富な夏野菜、カボチャを使ったメニュー!まずはカボチャを種ごと、カリカリに揚げます。この種も、実はビタミンEが豊富なんです!さらにカボチャには、ビタミンEの他にβ-データカロチンが含まれています。実はβ-カロチンにも抗酸化力があります!β-カロチンはビタミンEと同様に体内で発生した活性酸素を抑え込んでくれるのです。次にビタミンEが豊富なゴマベースのソースを作ります。白ゴマを摩り下ろしたものとゴマペーストを混ぜ、そこにだし汁、醤油、砂糖を加えてかき混ぜます。まずゴマソースをお皿データに伸ばします。そこへコラーゲンの多い鳥の手羽を素揚げにして盛りつけます。ビタミンE豊富なカボチャと手羽、これは先生オススメの組み合わせ。ビタミンE豊富なモロヘイヤを揚げてのせれば…カボチャのカリカリ揚げ完成!手羽でコラーゲンも豊富、女性に嬉しい、お肌の老化も防げるメニューです!次なる一品は・・暑い時期に相応しい鰻を使ったメニュー。ウナギは、魚介類の中でも、ビタミンE量がダントツに高い優れもの!白ごまをふりかけた酢飯に、刻んだウナギの蒲焼きを混ぜ合わせます。寿司飯の酸味で、スタミナ豊富でビタミンEの多いウナギを、夏場でもさっぱりといただけます!データ最後にもう一つ、毎日ビタミンEを豊富に摂れる、ふりかけをご紹介しましょう!材料はゴマ、松の実、たらこ等、どれも、ビタミンEが豊富な食材ばかり。調理は簡単。フライパンで2、3分煎るだけ!最後のポイントが抹茶!ビタミンCとEが豊富な抹茶を生で加えれば、香り高く、毎日簡単に食べられて、しかもビタミンE十分!そしてお湯をかければ…お茶漬けにしてもこれは美味しい!夏場、食欲の落ちてしまいがちな人、脂っこいものが苦手な人でも、十分にビタミンEが補給できるメニュー、如何ですか?これからは、野菜を巧みに使い、酸味や香ばしさを活かして、食べやすく工夫したメニューが嬉しい季節。こうしてビタミンEを毎日簡単に、美味しく摂って、生活習慣病を予防しましょう!

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