私たちが毎日の
食事から摂取すべきカルシウムは、成人で1日600ミリグラムと言われています。しかし調査が始まって以来60年、今だかつて、日本人の平均カルシウム摂取量が、1日600ミリグラムを越えた事はありません。でも、どうして、
日本人の食生活は、こんなにもカルシウム不足なのでしょう?戸板女子短期大学学長、江沢郁子先生。骨の衰えとカルシウムの関係を長年研究。現在、「東京骨を守る会」会長を務めています。江沢先生「
カルシウムを多く含む食品というのは、限られています。なのでそれらを積極的に摂らないと、1日の摂取量600ミリグラムに到達しないんです。ですから食生活全体の中で、カルシウムを多く含む食品をどう取り入れるか、習慣づけるかこれが大切です。」では、
カルシウムを多く含み、しかも習慣的に摂る事ができる食品とは?「代表的なのは
牛乳、乳製品です。カルシウムを多く含むだけではなくて、習慣的にとれる、さらにはカルシウムの吸収率がいいというのがあるんです。」
牛乳コップ1杯分には、220ミリグラムのカルシウムが含まれています。更に、
小腸でカルシウムの吸収を助ける、カゼインというタンパク質や、乳糖という糖質も含まれています。さらに牛乳には…、江沢先生「牛乳の中には
乳清たんぱく質というのがあります。これは微量ですけれど、これが
骨の形成を促進する、また、
骨の破壊を抑える、そういう働きがあるんです。」このように牛乳はカルシウムの吸収を助け、骨を丈夫にする性質を持っているんですね。また、
「牛乳はどうも苦手」という方には…?そう、皆さんお馴染みの
納豆!江沢先生「納豆のネバネバの成分、
ポリグルタミン酸というんですが、これがカルシウムの吸収を促進する、というのが最近わかってきました。」
納豆100グラムには、カルシウムが90ミリグラムも含まれています。その他、納豆には
ビタミンKやイソフラボンという、骨を作る機能を助け、同時に、骨の破壊を抑える成分も含まれています。日々の食生活に不足しがちなカルシウムを補うためにも、皆さん、納豆を毎日の食事に加えてみてはいかが
でしょう?骨を丈夫に保つ。そのためには日々の食事だけでなく、もう一つ大切なことがあります。江沢先生「さらに
骨を強くするには、運動が大切です。過激な運動とは限らず、
筋肉をしっかりさせることが目的です。だから日常生活の中で活動的な生活をする、これが非常に大事です。」江沢先生は、女性ホルモンを分泌しなくなったラットで、骨の丈夫さと運動の関係について研究しました。運動を全くしなかったラットの骨は、
女性ホルモンを分泌しなくなってから6ヶ月後には、スカスカになってしまいました!しかし、毎日欠かさず運動をしていたラットの骨は、女性ホルモンの分泌が止まってから6ヶ月経っても、以前と殆ど変わらない!では、手軽に出来て、骨を丈夫に保つのに役立つ運動とは?それはなんと、意外や意外、腹筋です!骨には、圧力を加えると、カルシウムが沈着して丈夫になるという性質があります。腹筋をすると、骨には縦方向の圧力が加わります。そのため骨を強化するのに効果的なのです。
でも腹筋はキツイ!!という中高年の方、スーパーマン風に手足を伸ばしましょう!!
身体を浮かせるという簡単な方法でも、骨は十分鍛えらます。
食事と運動に気をつけて、骨を丈夫に保つ。健康な骨は長寿の第一歩。皆さんも、是非お試し下さい。